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俳句でおしゃべり-都市ー 「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

桜の季節は、いつも恩田川の吟行です。

2021,4月3日     恩田川吟行記         岩原真咲

今回の吟行地は町田市を流れる桜の名所恩田川周辺と
堂の坂公苑である。吟行で31名が参加した。
成瀬駅から川へ下り陸橋へ着くと導かれるように成瀬城址の
城山公園にはいる。恩田川を眼下に鎌倉街道を見下ろし、
古の町田を彷彿とさせる眺望今回の吟行地は町田市を流れる
桜の名所恩田川周辺と堂の坂公苑である。
今年初めてのが広がる。こぢんまりと、しかし守りの固そうな地形の
城跡で井戸や櫓跡などが再現されている。
大島桜の大木が見事だ。

                                 桜

         

     曲輪跡ふらここ高く漕ぎにけり     桜木七海

一行は適度にばらけて川沿いを弁天橋公園へ向かう。
心配されていた桜もまだ十分に美しく、幹事の方たちもほっとした様子。
  
     鳥


      一川に速き一条花いかだ     中西夕紀

     飛花落花ふらりふらりと道逸れて  菅野れい

弁天橋公園には家族連れの花見客も多く、密にもならず上々の花見気分だ。
釣り池には長閑に糸を垂らす人もいて欅の若葉がまぶしい。
やがて川べりを下り堂の坂公苑へ移動する。
旧家の庭園でよく手入れされゆったりと時を過ごせる雰囲気だ。
そろそろ鷹の一種ツミの営巣が始まるそうでカメラマンの一行も見受けられた。
楓が多く地味だが可憐な花を咲かせているのが美しかった。
31名参加の句会では個性的な186句が披講され充実した句会となった。
以下は、当日の中西主宰の特選句である。
  
     花の塵よろよろ走る子の轍     森有也
  
     両岸を水の捲れる落花かな     北杜青
  
     八重桜隙間の空は百の青      高橋亘
  
     花惜しむベンチに二人づつ座して  三森梢
  
     橋裏の風の冷たき桜かな       北杜青
  
     鼻先に花びらつけて子犬かな     杉本奈津子


                                                    犬

今回の吟行コースは私の毎朝のウォーキングコース、
日頃親しんでいるコースを仲間と歩くのは楽しい事であった。
一日置いての川辺の桜は、花は葉に、花の塵は無残な色と化し、
吟行当日はまこと恵まれた一日だったことである。
吟行当番の方々有り難うございました。

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稚さんが、新同人の斐霞さんの紹介です。

         都市の1句(54)    林 稚

      花蕎麦の風の寄せ来る白さかな   丸山斐霞
 

 
             そば畑
        
 斐霞さんと私は同郷です。(私の生まれは東京なのですが、
幼い頃から「信州」と縁があり嫁いだ先も「諏訪」でした。
なので私の故郷も「諏訪」なのです。)

 この句は蕎麦の白い花が一面風にそよいでいる光景で、
故郷を鮮明に思い起こしてくれます。広い真っ白な蕎麦畑、
そして蕎麦のあの歯触りも。蕎麦の花一本は美しい花ではありません。
でも、蕎麦畑一面の蕎麦の花の揺らぎが美しさを呼び起こすのです。

                       蕎麦


 勿論、心惹かれる句はまだいっぱいあって、どの句も大胆で繊細です。
さらりと読んでいるのですが「そうか、こう読めばよいのか」と
教えてもらえる句ばかりです。でも、私はこの、蕎麦の句が好きです。
 
 斐霞さんはダンディーな気遣いのある素敵な紳士です。
ユーモアもあり、知識も豊富です。気さくな人で、ざぼんでも率先して
きびきびと動いています。でも、実はものすごく偉い方で、
神奈川県シニアソフトボールの理事長さんなのです。
そんなことを全然感じさせないのも斐霞さんの人柄なのだと思います。
斐霞さんがざぼんに現れたのは最近なのです。
(「都市」との関わりは結構古くからあるようですが)なので私は、
ざぼんで月一回顔を合わせ、二言三言言葉を交わす程度です。

 そしてこれも月一回のパソコン句会があります。
「取らなかった句」の批評を書いてくれます。斐霞さんの博学が
大いに発揮されます。この批評はとても勉強になります。
 
 大きな組織を束ね、俳句を作る斐霞さん。
どんどん器も大きくなっていくのでしょう。そんな斐霞さんを見て、
私も「よし、頑張ろう」と(すぐへこたれるのですが)思います。

1年ぶりのオーロラ句会がありました!

      第10回オーロラ句会(2021.3.27)  島田遊妹 

                              蓑毛桜


 昨年はコロナのために中止になったが、今年は開催出来て
本当に良かった。満開の桜の中、ことばランドに集まった方々は、
夕紀先生と特別選者の杉本奈津子さんと吉川わるさんそして
14名の挑戦者たちである。入会されたばかりの、岩切蒼哲さんも
その一人である。

 それぞれのテーマに沿って10句を作り応募する。10句が
ひと固まりになると、作者それぞれの個性がはっきりと見えてくる。
1句ずつの時より作者が前面に押し出されている感じが面白い。
これが、オーロラ句会の楽しさなのかもしれない。

 まずは、夕紀先生と特別選者が天に選んだ方々を紹介しよう。
先生は「湖東春景」の北杜青さん、奈津子さんは「玉手箱」の
本多燐さん、わるさんは「花辛夷」の満里さんである。

 「湖東春景」、先生曰く「王道を行く俳句である」と。
言葉の選び方、詠んでいる内容の美しさ、全体として句の格調の
高さが秀逸である。1句あげると

     雲雀野や風のまにまに雨ひかり
                                    02IMG_3697ヒヨドリ&寒緋桜縮小


 次に「玉手箱」大切な思い出や、秘密などが詰まっている玉手箱、
そこから飛び出してくる句の、一見つながりの見えないとりとめのない
感じが不思議な魅力になっている。その中から1句。

     星透けし古巣は風にゆらりゆらり
 そして「花辛夷」、平易な言葉を素直に遣いながら、春になった気持ちの
明るさがどの句からも感じられて好きである。1句あげると、

     束の間を夢見るやうに花吹雪
 
 先生が地に選ばれた坂本遊美さんの「釣船」は、釣りに出てから
港へ帰ってくるまでが1本のドラマのように綴られている。

     舷に身を張付けて釣るわらさかな

    釣る時の動きがしっかりと見えてくる句。
                                            
 
古墳と桜


 その他にも私の心に残った句をいくつか紹介しよう。

      冬うらら影は光に縁取られ     吉川わる
  
     能登の海岩窓飾る波の花      高見 和

     父の手の自在に動く潮干狩     加瀬みずき

     ストリートダンサー春の影法師    小林 風
 

 皆さんの挑戦に大きな拍手を送りたい。

都市の1句です。稚さんの人柄も伝わります。

   都市の1句 (53)    平澤ひなこ

     子の向けば亡夫(つま)居るごとし秋の虹    林 稚

「子の向けば」は呼びかけると「何」と振り向いた子か?
「母さん」と呼びかけるため振り向いたのか?
成人した子の声や表情や仕草のすべてが、亡夫に酷似していたのだ。
思わず「お父さん」と呼んでしまいそうになって、一瞬、亡夫との
思い出が走馬灯のように浮かんだのだ。
季語の「秋の虹」のはかない美しさが、ぴったりの幻想的な句である。


鳩


 稚さんとは、あゆみ句会からざぼん句会と五年余り句会を
共にしている。稚さんは自分の時間をボランティア活動や習い事に
いそしみ、超多忙な日々を送っているため、月一回の句会と吟行の折に
言葉を交わす位である。
だから、句を通して人となりを想像している。

 この句は、稚さんの多くの「夫恋い」の句の中では青春というか
甘く切ない。他の句では感傷に浸るばかりでなく、気質なのだろう、
骨太でたくましいところがある。「どっこい生きている」感じである。
足を地に着けて確実に前進している。初心者の歩み句会から、
スッテップアップを目指して、早くにざぼん句会に入会した程
やる気のある人である。そんな稚さんには、「夫恋い」以外の句も
感性豊かで、楽しい句が多くある。

                                     夫婦


 稚さんの「夫恋い」の句は、句会に出される度に、その若々しい
感性が読者の心をぎゅっとつかむ。自分をしっかりと中心に据え、
心の中で夫を感じる日常を「生きている」のだ。
今、「夫恋い」の句集を編んでもらえたら、きっと癒されるだろうなあ。

檸檬さんによる、虫好きのひなこさんの句の紹介です。

              都市の1句 (52)           小寺檸檬

       草の穂を螇蚸抱へしまま乾き      平澤ひなこ


 野原で見つけた光景だろうか。草の穂を食べているのだろうかと
そっと近づいてみると、螇蚸は穂につかまったまま命尽きていた
というのである。草むらの中でひっそりと土に帰るはずの螇蚸
も時にはこんなふうに命が終わることがある。

                                  木にバッタ


 この句を読むと螇蚸の生に対する執着と最後まで全うしようとする
力強さを感じる。作者もきっとそこに惹かれて思わず句にしたのでは
ないだろうか。
「抱きしまま乾き」という表現がとても上手い。螇蚸の思い、
それを見つけた時の作者の感動が胸に迫ってくる句である。

ひなこさんの句には虫や鳥など動物を詠んだ句がたくさんある。
そしてどの句も「こんな場面をよく見つけたな」と思う句ばかりである。
とにかく観察力が半端じゃない。私などは見逃してしまうような
一瞬を捉えて作った句が多い。これはじっと観察しているからこその
気づきだと思われる。

          鳥


 ひなこさんはきっと限りなく愛情を持って自然に
接している人なのだ。だからこそ自然にすっと溶け込んで自然と
一体になる瞬間があるのではないだろうか。

 ざぼん句会でご一緒するようになってたくさんの句を拝見したが、
どの句にも夕紀先生がいつも大事だとおっしやっている『発見』が
あるので感心させられる。
 
 一度真似をして我が家のベランダの野菜に留まった虫を観察した
ことがある。ちょっとずつ虫の様子に興味が湧き2~3日すると
まだいるかなと愛着さえ湧いてきた。
そして一句作ることができた。ひなこさんに感謝である。
句会でご一緒できて本当によかったと思っている。

                                   蟷螂
  

 これからどんな句にお目にかかれるかとても楽しみであると同時に
もっとたくさんのことを学ばせて頂きたいと思っている。