俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

川崎句会が「たま学びのフェア」に参加しました!!

     川崎句会「たま学びのフェア」参加記

                           菅野れい
 

「たま学びのフェア」は、川崎市多摩市民館を拠点に活動しているサークルの
活動発表の場として、毎年3月に行われているものです。
川崎句会は、三年目の今年、思い切ってこの催しに参加してみることにしました。

 テーマは~俳句で遊んでみませんか?~  
俳句にあまり馴染みのない人にも俳句の面白さや楽しさを知って親しみを
持ってもらいたい、さらには、川崎句会の活動を紹介して勧誘の一助としたい、
という思いから、会場には次のようなコーナーを設けました。
  
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                          (高橋亘さん撮影)

   ★俳句クイズ(俳句アドベンチャー)
      ・有名な句の中にある季語を当てる  ・季語の季節を当てる
      ・季語らしいものの中から季語でないものを見つける
 
  ★活動紹介(川崎句会の仲間たち)
      ・句会や吟行の写真 ・メンバーのコメント ・メンバーの作品

   ★作句コーナー(俳句を作ってみませんか?)
    俳句になりそうな写真を掲示し、使えそうな季語もいくつか例示する

その他、写真俳句のグラビア、川崎句会のチラシや新聞の紹介記事、
さらには中西主宰のお話が載っているタウン紙の記事なども掲示して、
会場に彩りを加えました。

 あれこれ頑張って準備はしたものの、当日蓋を開けてみるまでは不安でした。
華やかな発表の数多ある中、こんな地味~な会場に足を運んでくれる人は、
一体どれくらいいるだろうか…と。ところがありがたいことに、それは杞憂でした。
開始時刻の10時ジャストに現れた男子高校生を皮切りに予想以上の来場者があり、
時には説明のスタッフが対応しきれない程の賑わいとなったのです。
「都市」からも、川崎句会のメンバーの他、多くの方が来て下さり、
ありがたい限りでした。

 ささやかな試み、ささやかな挑戦だったので、当初のねらいがどれくらい
達成できたかは定かでありません。でも、「俳句には、学生時代から
‘堅苦しい勉強’というイメージしかなかったけど、こんなふうに遊べるものなんだと知って
イメージが変わったよ」と言って下さった初老の男性、大人の参加者が少し尻ごみする中、
何のためらいもなく鉛筆を取り、「はるのみちいろんな音がきこえるね」という
可愛らしい一句を作ってくれた小学1年生の男の子…、そんな反応の数々に、
ほんの少しですが手応えを感じることができたのも確かです。また、この発表後、
実際に句会に来て下さった方もいました。

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(高橋亘さん 撮影)
 
今回のフェア参加を、いろいろな意味、いろいろな形で今後の活動に生かして
いくことができたら…と思っています。
来て下さった方々、本当にありがとうございました。
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3月の吟行記です!俳号を「晴生(はれを)」に改めた元「てつをさん」が書いています。

         3月の「都市」吟行        
                                中島晴生


3月3日桃の日「寺家ふるさと村」ヘの吟行、小田急線と東急田園都市線に
挟まれた中間に位置し、今回は小田急線柿生駅と田園都市線青葉台に
集合しそれぞれバスで10:30に寺家ふるさと村四季の家の前で合流しました。
バス停から四季の家に至るまでに、いろいろ句材を見つけながらの集合でした。
好天のもと29人の参加

先ず「ここは都会に接して山あり池あり畑ありと自然がよく残されており
対象をよく観察してしっかり写生をするように」と先生の訓示を頂き、
早速みんな思い思いに散って行きました。

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寺家の里山は近隣まで都市開発が迫り都会に囲まれてありながら
地区の人達の努力で山林や農地の環境が保全されています。
豊かな自然の中に、神社あり、田圃あり、山あり、雑木林あり、梅林あり、
溜池あり、釣り堀ありと吟行には最適な場所となっています。

      綾をなす木のかげのゆれあたたかし      良

夏にはホタルの飛翔も見られるそうです。早春の山里はまだ冬と春が
同居しているような状態でしたが、目をこらしてよく見ると畦には
ナズナ、オオイヌフグリ、ホトケノザ、虫の動きなど、
神社の境内には椿、梅林には紅白の梅、山に登れば藪椿、
雑木林には大きなスズメバチの巣、小鳥の囀り、点在する溜池には水鳥、
釣り堀には釣り人と確実に春が息づいています。
みんな三々五々畦に踏み込んだり、梅林に憩ったり、雑木林に分け入ったり、
山に登ったり、溜池を覗いたり観察に余念がありません。
句材は豊富なのですが句作となると、みなさん苦労しているようでした。

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     老いよよむじなが池に亀鳴くと       晴生

句会場は四季の家の研修室で出句は13:30 
会場は16時半時までと時間の制限もあり6句を出句し、
先生の講評を受け充実した吟行句会でした。      

直子さんが、純さんの句を読み解きます。

             都市の1句(43)

                              石黒直子

 
純さんの作品に出合ったのはつい最近、はじめは随分上手な方が都市に入ってこられたという印象でした。
そのうち何度か句会をご一緒して、俳句の道を究められた方という感じを持ったのです。

     うしろ手に障子をしめて春灯
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うしろ手に閉めた障子、何かわくわく心弾む思いが伝わるのは、春灯という季語から
艶な感じを受けるのです。季語の持つ明るさ、華やぎなど濃艶な時間が過ぎたことでしょう。

        追伸のやうに夕暮れの白蝶 

一日のおわり、夕暮れの白蝶とは。それは日暮れを惜しむかのように白蝶が現れた。
その日の大切なことが、白蝶の現れで再び深く心に残る一日であった。白蝶に詩情があります。
主宰は折にふれ「俳句は詩です」と言われている。夕暮れの白蝶に感動しました。

        蛇の目の少女のやうな目をしたる
 
この蛇は艶やかで少し小さかったのかも知れません。その目はキラキラ輝き、無垢の目に
作者は感動したのでしょう。純さんの柔軟な心がとらえた一コマ。

        さびしさとは書かず卯月の雨と書く                                      
 
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卯月の雨とは陰暦四月に降る雨、菜の花腐しの頃でしょうか、しとしと降る五月の長雨は心まで
濡れてしまいそうで、寂しさを誘う。それを「卯月の雨」と書かれた。作者はそっと季語を差し出した。
そこはかと感じる憂いを、作者の気持ちを、言葉で表しておられます。そして多くを語らず、
読み手にゆだねられている、俳句のお手本と思いました。人生の深さを感じました。

 純さんの句はじっと読んでいると、奥が深く滲み出てくるものがあります。
「言いさして」後は読み手に任せる。純さんの作品は色々想像ができ味わう楽しみがあるのです。
歳月を重ねてこられた方の豊穣を感じます。きっと時を経て読めば、また違った感慨を持つかも知れません。
ありがとうございました。
            


    

 

時彦俳句を鎌倉の風景とともにちひろさんが、読み解きます。


        草間時彦1句鑑賞                  
                           鈴木ちひろ

  鎌倉や松の手入れを谷戸の音

              
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鎌倉は三方を山に囲まれ、一方をゆるやかに由比ヶ浜の海に
開いた地形である。
谷戸が多く山際まで住宅が広がっている。

駅前や八幡宮付近の喧騒から離れて住宅地に入ると
一転してゆったりとした静けさに包まれる。
竹垣をめぐらしたような閑静な佇まいの家々。
背後には山や林が迫っている。

谷戸の道は行き止りが多く、人通りが少ない。
道の奥には、今はフェンスに閉ざされ、雑草に覆われた切通しが
ひっそりと残っている所もある。

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 さて掲出句である。

よく晴れた秋の日。 静かな谷戸の道を行くと
どこの家からか、松の手入れをするリズミカルな鋏の音が聞こえてきた。
梢をかすかに揺らす風と、時折聞こえる鳥の声。
丁寧な鋏の音は、小気味よく秋の澄んだ空気に響き
鎌倉育ちの作者は、足を止めて懐かしくその音に聞き入ったのだろう。
いかにも鎌倉らしい、静謐な趣の一句である。

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草間時彦は、少年時代、扇谷の谷戸の家から
八幡宮の隣りの横浜国立大学附属小学校に通った。
子供の足には少々遠く、帰り道にはいつも
源氏池のほとりで遊びながら帰ったそうだ。
少年時代を過ごした鎌倉を、時彦は終生愛し続けた。

2月の吟行は、「目黒自然教育園」です!

  二月の都市吟行
                       甲光 あや


冷気と降雪の日から十日後、再び雪を見ましたが、
二月三日の都市吟行は、久々の都心でした。
やはり都心の人の流れは激しいものでした。
目黒駅集合の後、先頭歩く北杜青さんの上がる腕の指先を見ながら 
「自然教育園」の入り口に着き、先生の訓示を頂きました。
「常識的観念ではなく発見をする事よく見直す事、そして種を拾うこと」

自然教育園の生い立ちは、豪族の館から始まり、
下屋敷、火薬庫、白金御料地と歴史を重ねた事は、
一般人の人々の立ち入る事が出来ず、豊かな自然が残され、
空から見ても広大な緑地となっています。

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落葉樹はすっかり裸木となり常磐木ばかりの植物園かと思われる程の
冬ざれの中を二十四名は、三々五々と歩き始めました。
「可愛いわね」としゃがみ込んで見る節分草
  
      指先の節分草に身をかがめ  奈津子

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    (あやさん撮影)

枯松葉が下の木々の全ての細い枝にまたがっているようにあり、
それは枝に下がった花のように見え、面白い景でした。
松の大樹が多くあると言う事です。
都心の中だけに様々な音が、入り乱れて聞こえる中を、
水生地帯、沼地へと歩きました。
音に慣れているのか浮寝鳥は、岩のように動かず浮かんでいました。
  
      響き来る車列の音や浮寝とり  ちひろ

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     (あやさん撮影)

曇り日でしたが、時折の日差しの中、かすかに春を感じました。
  
     老松の春の鼓動を掌に移す  亘

句会場は園の中に在りましたが、時間が少なくなり、
私は六句の句を四〇分足らずで初めて作句し、
ともかくも出句しました。
園内にある美術館に思いを残して、「日脚伸ぶですね」と
言い合いながら、一七時過ぎに目黒駅へと帰途につきました。