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俳句でおしゃべり-都市ー

〜「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。〜
ざぼん句会で実践している、LINE句会の紹介です。 2020.04.03
久しぶりに良さんのショートショートです。 2020.03.09
暖冬の2月の吟行です!! 2020.02.13
イベント部より 2020.01.27
今年の新年会は、早々と5日に開催されました。 2020.01.26

10月の吟行記です。

    10月ぼうさいの丘公園吟行    坂本遊美

ぼうさいの丘公園は初めてだった。
本厚木駅からバスで農大前の終点で降りる。
眼下に里山の家や畑が秋の日差しに輝いている。
その奥に連山があり大山の樹々がはっきり見える。
見晴らしのいい高台は、気持ちがいい。

先生の「今日は、子供や若い人を観察して作りましょう」
「6句出し。10句以上作る事」の目標を胸に歩き出した。
6月の等々力渓谷吟行では、「切れ端でもいいから材料を
沢山集めましょう」が、今日は10句以上となっている。
心が動いたものは、その場で句にする様にしよう。

「野鳥の池」に鳥の姿はないが、自然の儘の池と湿地の草原に
趣があり、その周りの森林や畑道も鄙びていて句材は豊富だ。
「子供広場」では子供達が様々遊んでいるが、類想句に注意だ。

吟行当番の「農大は守衛さんに挨拶すれば入れます。
馬柵があります」の言葉に、馬場を目指す。馬場は校舎の外れの
林の中にあり馬が三頭いた。暫く見ていると、女学生が一頭の馬を
ホースの水とブラシで洗い始めた。
思わぬ光景に、全神経が惹きつけられる。
集中して夢中で浮かんでくる言葉を句帳に書きつける。

句会が終わって。始発のバスに乗って発車を待っていた。                
火ともし頃の眼下の家の灯りは、温かく人を待っているようだ。
山は屛風のごとく暗い影絵となっている
まだ蒼さを残した空は茜色と黒雲が刻々と変わっていく。
イベント係がさっき迄一泊吟行の話をしていたのに、
今は新年会の相談をしている。
秋の夕暮に、和やかな「都市」の仲間と居る幸せを感じていた。

   当日の中西夕紀先生の四句

                               空


     連山の奥嶺隠さず雲の秋

     耳元の翅音払へり水の秋

     蒲の穂や彼の世より出で鯉泳ぐ 
  
                 赤とんぼ
 

     柔らかにでんぐり返る子に蜻蛉

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凜さん、新年会ではお会いできなくて、残念でした!!

              都市の1句 (38)              木村 風子


           面取れば少女に戻る若葉風     鈴木凜


                  葉

私たちの世代では女子が剣道をするということは考えられなかった。
テレビの時代劇から得たあやふやな知識だが、奥方や侍女が
賊と戦う武器は刀ではなく薙刀だったようだ。

戦後男女平等になり、さらに平成20年から中学校保健体育で男女とも
武道・ダンスが必修となった。そこで多くの学校で男女生徒に剣道を
教えるようになった。剣道は柔道についで多くの生徒が学ぶ武道だそうだ。

剣道をかじった事のある男性諸氏に聞くと、重い防具(面、小手、胴、垂)を
付けて竹刀を振り回すのはとても暑いらしい。ちょっと気を抜くと竹刀で
パッシとやられる、痛くはないが大きな音がしてヤラレタと思うらしい。

防具をつけて竹刀を構えている生徒をみても、男子か女子か判別できない。
鈴木凜さんの俳句には、面をはずした瞬間の少女が見事に描写されている。

                       h葉

ところで私は平成29年4月広報まちだで知った「歩み句会」に入会し、
凜さんの俳句と出会った。「歩み句会」は先生方から俳句の基本や
会員持ち寄りの俳句ひとつひとつに丁寧なご指導を頂き、
会員も鑑賞や感想などを和気あいあいと語りあう。

凜さんは俳句だけの参加だが存在感がとても大きく、ご主人はじめ周りの方々への
深い愛情や感謝を込めた俳句にはいつも心温まる。
そして今年の初句会には、念願がかない凜さんご本人と初めて
お会いすることができた。それぞれに自己紹介するのも束の間、
ずっと以前からの句友として大いに話が弾んだ。

凜さん、これからも素敵な俳句をたくさん作ってください。
                                

現代俳句勉強会で、詳しく芥川龍之介を論じてくださった、聖羅さんによる1句鑑賞です。

    芥川龍之介 一句             田中 聖羅

          蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな

東京が寒波に沈んだ日、銀座の「カフェーパウリスタ」で一杯の
ブラジルコーヒーを味わった。コーヒー好きな芥川龍之介が菊池寛と
よく待ち合わせをしたという店である。
「寒さかな」、「寒波来る」等々、季語を頭によぎらせていて、ふと、
芥川の夏の一句が、思い返された。

                 RIMG0012.jpg
      

大正7年8月の「ホトトギス」雑詠欄の巻頭頁の二人目に
鉄条〔ぜんまい〕に似て蝶の舌暑さかな   鎌倉 我鬼
が掲載されると、たちまち、飯田蛇笏が、「無名の俳人によって力作
さるる逸品」と称賛した。このとき、蛇笏は、「鎌倉 我鬼」が芥川
とはまだ知らなかったのである。このことが縁となり、芥川と蛇笏の
交流が生まれた。この句は後に、
蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな
と改められた。

一方、大正6年に第1詩集『月に吠える』を刊行した萩原朔太郎の
この句への評価は、手厳しいものであった。
「この句は、ゼンマイに似ているといふ目付け所が山であり、比喩の
奇警にして観察の細かいところに作者の味噌があるのだろうが、結果
はそれだけの機智であって、本質的に何の俳味も詩情もない、単なる
才気だけの作品である・・・」と決め付けた。

あこがれの朔太郎ではあるが、小説家の俳句をなかなか認めようとし
なかった嫌いがある。蝶の舌をゼンマイに喩えたことを、単に才気だ
けの機智と捉えたのだろうが、しかし、しかしである。
この句には、「暑さかな」という大きな季語があることを、朔太郎は
見逃したのではないだろうか。暑さにあえぎながら生き抜こうと必死
の蝶の舌なのである。芥川自身が、「暑さ」に非常に弱かったことが
わかっている。

                           123.jpg


時代の流れもあり、近頃は「季語」に関しいろいろな動きがあるよう
である。結局、店では何もひらめかず凍てた街へ出た。一句での語彙
や内容を包み込む季語の大きさや、深さを肝に銘じたい・・というより
肝に感じたいと思いながら・・・。

「春野」の同人関山恵一氏が、主宰の句を鑑賞してくださいました!!

      「都市」六月号  中西夕紀作品鑑賞  

                      「春野」同人  関山 恵一

    花替えて山の湿りの花御堂
 
 灌仏会に花で飾った小さな御堂に釈尊を安置する花御堂、
飾った花が時間がたってややしおれて来たので、新しい花に替える.
御堂の背負う山から湿った風が下りてくる。「湿り」は作者の釈尊への
しっとりとした気持ちの表れとも伺える。

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   花まつり異国の僧の膚見せて
 
 これも灌仏会での句。
最近は日本の寺で修行するタイ・インドなどからの僧侶が増えてきている。
僧衣からはみ出す肌の色が美しい僧侶、おそらくそうした異国からの
修行僧であろう。いかにも健康そうな褐色の肌が艶っぽい。
思わず見入ってしまう作者。

    思ひの去ればまた囀りの日の光  
 
 悩みかも知れない、何となく心に引っかかるものをを抱えた作者。
それが何かのきっかけでふっと消えた時、それまで気付かなかった
囀りが耳に入ってくる。こんなに激しく囀っていたのか・・と
われに返った気がする作者。

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    雨の竹つかめば山の霞みをり 
 
 鎌倉の竹の寺かもしれない。訪れた時降っていた雨もあがり、
明るくなってきた。「春もすっかり深まったなあ」手近にある竹を掴んで
見上げる向こうの山は霞がかかって翠黛に。ハッとするほど美しい景にしばし佇む作者。

     わが修羅をわれの貪る朝寝かな

  美しい作者の裡にある修羅とはどんなものであろうかと気になる。
やはり五七五と詩と格闘していたのであろう。夜遅くまで句作に励み、
格闘していた作者の朝はひどく眠い、「貪る」の措辞に格闘のすさまじさと、
疲れ切って春眠を続ける作者の姿が浮かんでくる。

都市1泊吟行記です。まずは、1日目(22日)です。

柿田川湧水・江川邸から反射炉へ 
                 盛田恵未                         
                 
都市」の一泊吟行は総勢27名の参加で一路三島へ。
バスの窓からは新緑がモザイクのように美しい濃淡を見せ、
時折遅い桜が花弁を散らしていました。

            DSCF6121.jpg


バスは柿田川湧水地へ。富士山の雪解け水が伏流水となって
柿田川が生まれています。水量は一日100万t。
緑の谷戸に鶯の声が出迎えてくれました。
流れに沿ってセリが繁茂し、虫・蝶・鳥・草木が
生き生きと育まれていました。

湧水地を守るボランティアが多数水の中に入り、
繁茂する外来種の水草を刈り取る作業をしていました。
このような影の努力があってこそ、柿田川湧水の美しい景観が
守られているのだと皆感じ入りました。

お昼は名産の桜海老のかき揚げ入り天ざるを堪能。
バスは伊豆の国市の江川邸へ。
清和源氏の流れを汲む江川邸。
現在の当主は42代になり、約850年続く名家です。
主屋、蔵、門、塀、古文書が重要文化財です。
主屋の土間は50坪あり天井板のない屋根裏の小屋組みに
日蓮上人直筆の曼陀羅が棟札として納められています。

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家康に仕え代官として統治し、36代の英龍は
幕末動乱期に鉄砲鋳造のために反射炉を建設しました。
また、兵糧非常食としてパンに着目し、
日本で初めてパンを作った人でもあります。
広大な屋敷に竹林を縫ってさわやかな風が
吹いていました。

            DSCF6306.jpg


続いて韮山反射炉へ。日本で唯一稼働実績のある大砲鋳造のための溶炉は、
ユネスコ世界遺産に登録されました。反射炉の向かいに目をやると、
茶畑で茶摘みをする人々が。のどかな光景にほっとする思いもつかの間、
夕食前の句会に、バスの中の空気は一変。皆作句に集中し、
静かな炎が燃え上がっていました。

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  1日目の句会の特選句のみ記載しておきます。

   青梅や座敷に風の通り道     なかむらその

    カノン砲蟻の隊列動きをり    杉本奈津子

   目を射るは砲の返せし春日かな  高橋 亘
  
    水五訓守り継ぐべし水草生ふ   樋口冬青

    豆腐屋のアイスクリーム大豆の香 なかむらその

    反射炉の上まで届け蔦若葉    秋澤夏斗
  
    若楓シャワーの如く吾を包み   杉本奈津子