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俳句でおしゃべり-都市ー

〜「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。〜
ざぼん句会で実践している、LINE句会の紹介です。 2020.04.03
久しぶりに良さんのショートショートです。 2020.03.09
暖冬の2月の吟行です!! 2020.02.13
イベント部より 2020.01.27
今年の新年会は、早々と5日に開催されました。 2020.01.26

暖冬の2月の吟行です!!

          東高根森林公園吟行記         吉川わる

                    suisenn.jpg


 吟行が行われたのは2月1日と寒の明ける直前であったが、
記録的な暖冬により、この時期ならではの寒さも春を待つ気持ちも希薄だ。
そのせいでもないのだろうが、参加者も27名と最近の吟行にしては少なめであった。

 集合は溝の口駅で、東高根森林公園へはバスに乗るのだが、
地図で見ると南武線の久地駅からそう遠くないところが緑で塗りつぶされている。
一人歩いてみると、緑の半分は市営霊園で公園はその先であり、20分くらいかかってしまった。
主宰の挨拶も聞けなかったのだが、写生をしましょうということだったようだ。

 公園は丘陵地帯と湿生植物園からなる。
階段の改修工事でクヌギ・コナラ林に入れなかったのは残念だが、
学術上非常に価値の高いというシラカシ林を見ることができた。
推定樹齢200年といい、胸がすくほどの樹高だ。葉をすべて落とした
広葉樹の林とは対照的に、そこには哲学的暗さがあった。
残念ながら見落としてしまったのだが、湿生植物園には早くも蝌蚪の紐があったそうだ。

                               pikapika.jpg


 句会はてくのかわさきの会議室に移動して行われたが、
同じフロアーに地名資料室なるものが。おそるおそる覗いてみると、
展示ではなく図書資料室であった。地名にかかる資料6万点を誰でも閲覧できるそうだ。

さて、最後に拙句を。

      空風のぎいと梢を揺らしけり       わる

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正月前に相模の一宮、寒川神社に吟行に行きました。

吟行地・寒川神社とその周辺    石黒直子 

朝、冬の雨。みな着ぶくれて宮山駅へ元気に集まった。
近くを流れる目(め)久(く)尻(じり)川(かわ)を渡り今日の吟行地、
寒川神社へ向かった。
相模国一の宮、寒川神社は約一六〇〇年の歴史を持つ由緒正しい神社である。
太鼓橋から境内に入り、ゆっくりと散策しながら写生を、思いを、句にしている。

                      hashi.jpg

しぐれの中の社はいつもより重々しく威厳を感じた。
神殿に明かりが灯りお祓いの太鼓が時折響く。
七五三の親子連れもいて、晴れ着の子の長靴がかわいい。
神木に雨が光っている。
寒禽の声が聞こえる。いつしか雨は諸々の音を消し辺りはしずかになった。

神社に参拝し一行は長い参道を歩く。木立へ続く道は反対側が
農家や園芸店、菜畑、冬田が広がっていた。
近くには水道記念館があり見学に行く人もいた。また「わいわい市場」という
産地直売店があり、お弁当を買ったり焼き芋をほお張ったり
お花に見入ったり楽しい。周囲を眺めると稲を刈ったあとや特産の梨畑が見え、
その先に弥生時代の古墳がある。

中央公園に着くころには雨も上がっていた。隣は句会場の町民センターがある。
ロビーで昼食、会場へ。一人六句、二十六名いつもながらの楽しい句会だった。
 
今回の吟行地寒川神社は季節ごとの行事が大切に行われている。
初詣、節分祭、夏越の大祓、浜降祭、神事薪能、神事流鏑馬、等々…。
一人で出かけても、また数人で吟行しても魅力的なところである。
寒川神社へお参りすると、何かしら神さまに守られている感じがする。      

                                      お賽銭


*  麦の芽や身近におはすさがむ神   石黒直子

*  寒菊へ雨そそぎけり作業小屋    石黒直子
        

今年の1泊吟行は、災害後の南房総です。

          館山一泊吟行記(一日目)       秋澤夏斗 

今年の一泊吟行は奇しくも台風15号の風害に見舞われた館山周辺を
訪ねることとなった。少し緊張した面持ちで、会員23名を乗せたバスが
8時に町田を出発。
朝霧に烟るアクアラインを抜けていよいよ千葉に入る。
車窓から台風の爪痕を見て回ることになる。
               
                           倒木


青いビニールシートで覆われた瓦屋根、全壊した茅葺屋根、
壊れて放置されたままのビニールハウス、倒木で荒れ果てた杉林などが散見される。
一日も早い復興を祈るばかりである。一方、太陽電池パネルなどは損傷が少なかったのか
正常に機能しているようにも見えた。
 
10時過ぎにバスは大山千枚田に到着。
収穫をすでに終えた穭田が広がっていた。
美しい曲線を描く畦には野紺菊が可憐な花をつけている。田の端には熟した柿が
鈴なりの柿の木が立っていた。千枚田も大きな被害に遭われたのであろうが、
自然の回復力には眼を見張るものがある。

           千枚田

 
思い思いに吟行して再びバスに乗り海辺に向う。
美味しい海鮮料理の昼食を済ませ、太平洋に浮かぶ周囲
4キロメートルの仁右衛門島を訪ねる。島へは2班に
分かれて二人の船頭の操る手漕ぎの木舟で渡る。
渡航距離200mの短い船旅だ。

                                        仁右衛門


島には立派な屋敷が一軒あり、句碑が沢山建っていた。
島の裏に回ると稲荷大明神を祀った祠が岩洞の中にあった。
鳥の鳴き声も何種類か聞くことが出来、石蕗の花、
磯菊が咲いていた。花蔓草という珍しい外来種も見られた。
磯の岩は砂岩で形成され、打ち寄せる波に大きく削られた
奇岩が幾つも見られた。
 

島を離れて宿泊地の館山のホテル夕日海岸昇鶴を目指す。
夕食前に、東京湾に沈む美しい夕日を背景に五句出しの
句会を行う。主宰選の特選句は以下の五句であった。
  
秋の蝶もつれて風の千枚田      岳童
  
秋爽や鳶の声降る島屋敷       梢

肉厚の葉のつややかに秋の蝶    梢
  
感触の手になつかしき蝗かな     遊美
  
海老網を扇に広げ秋の浜       有也

句会の後楽しい夕食を終えて外に出ると、東の空に三日月が
美しい姿を見せていた。

2日目は災害のため、予定が変わりましたが、、、、

       都市一泊吟行(二日目)         森有也
 
 

 吟行二日目。目の前の海岸が白々と明けてくると、
停泊の貨物船や四本マストの練習船などが水平線に次々と
浮かび上がって来た。5時半ともなると、7,8人だろうか
仲間の姿が突堤の先に認められる。

                岩だな



一方、ある人は朝風呂に、ある人はメーキャップに余念なく、
ある人は寝乱れた布団に惰眠を貪り、またある人は広い研修用畳部屋の
片隅で、うんうん唸りながら俳句の推敲。一堂に会して朝食の間も
おしゃべりしつつ、頭の中は今日の出句を推敲してはち切れそう。
 
午前9時より句会。結婚式場にも使われている大会議室は
豪華なシャンデリアの列。しかし荘厳な部屋の暗さが老人の眼には辛い。
集めた一人6句の出句を各自5句選句・披講してコメントを述べる。
最後に主宰の選。選ばれた作者は晴れ晴れと名乗りを挙げる。
 
 主宰句
               鷹飛んで水平線を低くせり           夕紀
 
 特選句
               磯波のぶつかり合うて鳥渡る            梢

               海霧や山の物など打ち寄せて            冬青

               穭田に渡りの途次か逸れ鳥            岳童

               秋風の生きよとばかり撫でくれし         恵夢

               山に翳現れて穭の輝けり             夏斗
 
                       芒芒


 主宰より

(1)季語の本意をよく理解して、句の内容と離して作句すること
(2)(俳句に時間を詠むことの難しさ、それを十分勘案して作句すること
(3)吟行の句は、参加していない人に理解されてこそ一句として
成り立つなどの話があった。
 
昼食は一気に緊張がほぐれて笑いこぼしつつ、カレーライスの汁飛ばしつつ、
ごはんは半分などと言いつつお替わりをする人も。
そのあとは、膨れた腹を揺すりつつ旧海軍史跡、赤山地下濠の見学。
黄色ヘルメットを山高帽のごとく被り、水滴落ちる暗い地下壕を回る。
今更ながら、一刻も長居したくない地下壕の陰惨・陰鬱さに太平洋戦争の悲惨を思う。
 
明るい秋天と沖合遥かに光満ちた夕日桟橋、日本最長の観光桟橋を
延々歩きまた帰って来る潮風の中。道の駅では、土地の野菜・果物・
魚介など数多。惣菜を見れば主婦の本能たちまち沸き起こり、
俳人の心かなぐり捨て、柿だ芋だ野菜だピーナッツだと買い集め
帰りのバスへ。天気にも恵まれ、綿密な計画通りにいやそれ以上に
快適に早く帰宅できた。
計画から下見、当日のお世話ときめ細やかにお世話くださった
「イベント部」の皆様に心から感謝申し上げます。(終わり)

9月の谷戸の吟行記です!

      寺家ふるさと村吟行記  
                           杉本奈津子


9月7日、吟行当日はピカピカのお天気で朝から光が
肌に突き刺さるような日だった。
ふるさと村は横浜にあって里山と谷戸田の風景が
広がり豊かな自然が残された貴重なスポットだ。

             稲


谷戸田はすでに色付いており、あたりには稲の匂いが
濃く漂っていた。よく見ると田圃毎に違う品種が植えて
あるらしく実り具合で濃い黄、薄い黄、緑とパッチワークのような
田圃となっていた。
そこでみんな一斉に  (田毎に違う稲の色)  といった風の句を
作ったのだが先生に類想ありと全部バッサリと切られた。

     青蛙ひと飛び尿のひとしずく   ちひろ

     人のゐる方へ方へと来る蜻蛉   梢


谷戸田の周りの緑濃い森からは法師蟬、油蟬など秋と夏の蟬が
混在して合唱していた。

     蟬の電池切れたるごとく落つ   夕紀

     ここよりは立入禁止テングタケ   有也


                                      キノコ


気持の良い秋の週末で家族で散策している人達も多かった。

     秋日傘夫にとどかず老夫婦     青

     団栗を敵の数だけ拾ひけり     満里


谷戸の奥には小さな釣り堀もありパラソルの下で太公望達が
夫々竿の先を眺めていた。

     釣糸の光に蜻蛉向きをかへ    亘

畦道に望遠鏡とカメラを構えた一団の男達人がいたのだが
差羽の渡りを待っていたらしい。そういえばこの時期、
差羽は日本列島を北から南へその先東南アジア方面へと帰ってゆく。

     鸇(さしば)の飛来待ってゐるなり秋うちは   夕紀

里山にも谷戸にも秋の植物が溢れていた。
稲、稗、仙人草、盗人萩、水引草、溝蕎麦、臭木にも青い実がちらほら。
ノートにはいっぱい書きつけたが句にするのは難しかった。
いつかちゃんとした句になってくれたら嬉しい。
三十三人で吟行した秋の一日でした。

     用水に蜻蛉の臀呫(となめ)茜雲     奈津子