檸檬さんによる、虫好きのひなこさんの句の紹介です。
2021/02/18
都市の1句 (52) 小寺檸檬 草の穂を螇蚸抱へしまま乾き 平澤ひなこ 野原で見つけた光景だろうか。草の穂を食べているのだろうかとそっと近づいてみると、螇蚸は穂につかまったまま命尽きていたというのである。草むらの中でひっそりと土に帰るはずの螇蚸も時にはこんなふうに命が終わることがある。 ...
「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。
都市の1句 (52) 小寺檸檬 草の穂を螇蚸抱へしまま乾き 平澤ひなこ 野原で見つけた光景だろうか。草の穂を食べているのだろうかとそっと近づいてみると、螇蚸は穂につかまったまま命尽きていたというのである。草むらの中でひっそりと土に帰るはずの螇蚸も時にはこんなふうに命が終わることがある。 ...
都市の一句(43) バス降りて真っ先に来る稲穂波 小寺檸檬 正に映像が鮮やかに浮かんで来る素晴らしい句。主宰も誌上で印象鮮明と評しておられるが、檸檬さんの代表句になる「都市の一句」だと思う。「真っ先に来る」の中七が実にいい。簡単な言葉であるが、実感に勝るものはない。作為的でなく、瞬間に出来たのではないだろうか。俳句の神様の...
都市の一句 (43) 高見 和 命日や真紅の薔薇を束にして 長谷川 積 私の心に残る一句である。都市古典俳句勉強会で詠まれた句。『都市』10月号に掲載されている。「薔薇」は、花の女王である。その中でも真紅の薔薇を詠んでいる。「愛」の象徴ともされる薔薇。花言葉は、「愛」だけではない。 その本数や色、部位、...
都市の1句 (42) 北杜青 足首の冷えて銀座の四丁目 吉良唯都市にいて、恐らく出席する句会が違うため誌上でしかお会いできない方が何人かいらっしゃいますが、そのお一人が吉良唯さんです。 掲句は、唯さんが都市集の巻頭を取られた今年六月号の一句ですが、一読、...
都市2020,8月号より 城跡のいまは里山栗の花 中西夕紀 水の香にほのと火の香や夏料理 渡辺純 桜蘂降る朝方の小さき葬 岩原真咲 春惜しむ寄木の箱にハーモニカ...