FC2ブログ

俳句でおしゃべり-都市ー

〜「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。〜
ざぼん句会で実践している、LINE句会の紹介です。 2020.04.03
久しぶりに良さんのショートショートです。 2020.03.09
暖冬の2月の吟行です!! 2020.02.13
イベント部より 2020.01.27
今年の新年会は、早々と5日に開催されました。 2020.01.26

ざぼん句会で実践している、LINE句会の紹介です。

        あすかつLINE句会          山中あるく

私たちはLINE句会と呼んでいるが、ざぼん句会の中で
いくつかの小グループに分かれてバーチャル句会を行っている。
長谷川積さんが仕切りの先陣をきってくださりチームの名前は
「あすかつ」と付けてくださった。

桜

幸先よく明日勝つかと思ったら、
メンバーの俳号の頭を取ってあるくの「あ」、すみれの「す」、芳の「か」、
積の「つ」だという。センスがいい。
名前が付くと士気も上がるというものだ。

2019年1月のざぼん句会の席で主宰から提案があり、
LINEでもメールでもファックスでも使えるツールで、
通信句会をすることになったグループである。
調整の後第一回あすかつ句会を経てからの2月のざぼん句会での
皆さんの投句である。

亀鳴くや一人夜道に振り返り        長谷川積

さざ波を立てる小石や春うらら       高橋すみれ

曇天をひきずる機音鳥帰る         高橋芳

せぬことと出来ぬことあり亀鳴いて     山中あるく


それから早一年、季語と漢字をひとつずつ出し合い、
それぞれに二句ずつを当番の個人LINEへ投句する。
当番は十六句が出揃ったところで、シャッフルして
あすかつLINEに掲げる。メンバーはその中から選の理由を添えて、
三句選句する。さらに、選ばなかった句についても評を繰り広げる。
と、条件を変えている。ここで、修正すべきところに気がつくことが
できるので、句作の勉強になる。自分の句の評は言い訳のようになるから
難しい。また、選評のコツを得ることにもなる。

ざぼん句会の本番では作った句は出していいことになっているが、
お互いに採り合わない約束なのでポーカーフェイス。
終わってから作者を種明かしして、ひと区切りである。

チョコ



素敵な写真のお披露目があるのも、「あすかつ」の特徴かもしれない。
チョコレートの靴は、ざぼん句会を欠席されたすみれさんへ
芳さんからのバレンタイン。
上の満開の桜はご友人と薬師寺公園へと散歩吟行の積さんの写真。
すみれさんはご夫妻で探鳥された際に捉えた連雀の写真を
寄せてくださった。

連雀

いぬふぐり



日当たりで群生したおおいぬふぐりは、あるくの散歩のおまけである。

句会を催すことができない今、この仲間の存在がとても励みになっている。
きっとざぼん句会の皆さんと座を囲める時まで、淡々と回して句作と評を
蓄えていく。提案された課題には全て作句していらっしゃるという積さんは、
「多作多捨」と教えてくださり、実践されている。

主宰はきっと「歳時記を読みましょう」とおっしゃるに違いない。
今、私たちはそれぞれに実践する時なのだと思う。

 

スポンサーサイト



久しぶりに良さんのショートショートです。

       白い花                 城中良
                                       雲


遠くの雲がゆっくり空をゆく、そんな日だった。
ゆるやかな上りを道なりに行けば牧場につく、
牧場と言っても簡単な木の柵で囲はれ、人懐なつこい牛一頭、
山羊が二匹しかいない名ばかりの牧場。
そこの近くの野原に行く予定だったのです。

なのに、みちの途中に細い暗がりのみちがあり、行ったこともないのに、
その細いみちに入ってしまったのです。みちは暗く、獣みちで、
左右の土の上には名の知れぬ潅木がうっそうと覆い、じめじめとした感じ
なのです。引きかえそうとしたが、行けばどこかに出るだろうと、
高をくくっていたのです。しかし、行けどもゆけども、みちは暗く、
明るく開けてこないのです。

                       けものみち


これは危険なみちに入ったと、引き返そうとしたとき、
暗がりの先に丸く明るい穴のような所が見えてきたのです。
近づいてのぞくと、小さな坂があり、その先に畑のようなところが
広がっているのです。助かった。ここから野原の方にいけるかもしれいと、
坂をすべり下りたのです。回りを低い山にかこまれ、なだらかな畑があり、
ちょっとした狭い台地なのです。人の姿はなく、畑の先には小さな白い花が
一面にひろがっています。暗い所から異次元の明るい空間に出てきたのです。

              ana.jpg


白い花、いったい何の花だろう、畑の細い畦みちを花の方に近づく、
今頃群落になって咲く四十センチ位の白い花とはなんだろう、
手を伸ばすと、後ろからやわらかな女の声がしたのです。
とがめるでもなく、詰問されるでもなく、ただやさしい声がしたのです。

                                                     ぺんぺん群生


うしろを見ると、野良着姿の、少し白髪の品の良い女性が
ほほえみながら立っていたのです。道に迷ってしまった事、
そして、この白い花はなんですかと、尋ねたのです。これは薺です。と、言う。
薺、あのぺんぺん草、こんな群落になって咲くのを見たことがない。
手にとって良くみればやっぱり薺、ぺんぺん草だ。

                     ぺんぺん草


白い花に立つ女性はここに生活しているのか、眩しいものを見るように、
黙っていると、お茶を飲んでいきなさい、と言う。
                                                    部屋


落ち着いて回りをみると台地の端に小さな平屋がある、
ここに生活しているのか。女性の後ろに黙ってついて行くと、
あけ放った部屋は小奇麗に整理されており、縁側に座りなさいと言う。
座ったところから白い花が一望に見える。

                                                       rouka.jpg


お茶が運ばれ、ガラスの器にステック状の赤、青、白の野菜が並んでいる。
お茶を一口飲む、おや、と言う顔を見て、ウコン茶です、と言う。
生姜のかすかな香り、ローズマリーの味、ただのウコン茶ではない。
黙って白い花を見ていると、野菜も食べろと言う。
ウーン、これは色々なスパイスに漬けこんだピクルスだ。
品の良い女性にお茶を出してもらい、花を見ながら野菜を齧る。
あの暗がりを抜け、一体どこに来てしまったのだろう。
牧場の方に行きたいといったら、どうも全然違う所にきてしまったらしい。

この家の横にあるみちをしばらく行けば旧街道にでますから、
と事もなげに言う。
お茶、お替りをしますか、と言われたが、ありがとうございます。
これから帰ります。と言って、白い花を見ながら立ち上がる。
やさしくほほえみ、また、いらして下さい。と言われる、道を下りながら、
一体どこに来てしまったのだろう。
暗い下りのみちを不思議な感覚につつまれながらあるく、
かなりの時間を歩き旧街道に出て家に帰りついたのです。

                  ?道


つぎの年、摩訶不思議な薺の大群落をみたくて、細いみちを行ったが
全然違うところに出てしまい、明るい穴のような空間も見つからない。
帰ってきた旧街道の道もなぜかわからない。
まるで狐につままれるとはこんな事かと思い、探すが、
白い花のある場所見つからない。見つからないから仕方が無いと
自分に言い聞かせて家に帰ったのです。

             見つからない

イベント部より

         2020新年句会         永井詩(イベント部長)
                          
                      IMG_1781.jpg

今年は、去年の新年会では、費用が掛かりすぎる、
前もって句を出すのではなく、当日出句の句会が望ましい
というご意見を踏まえて、市民ホールでの新年会&新年句会となりました。
ただ、5日という少々早めの日程、しかも半日しか取れなかったので、
前もって出句をして頂き、当日選句という中途半端な句会に
なってしまったのが残念です。

セレモニーは、わるさんの司会のお蔭で、思いのほかスムースにすすみ、
時間が余ったので句会を15分早めることができました。
休憩後はいよいよ句会です。選句後は、自己披講となり、
司会の夏斗さんの算段でこれまたゆったりと句会ができました。

                           バー


来年は市民ホールが取れましたら、午前中にセレモニー、
昼食はホールのレストラン午後は、ばっちりと句会を
やりたいと思っています。
日程は中央句会の第四日曜日となります。是非、是非ご参加を!!!
ああ、会場と、レストランが取れますようにと祈るのみです。


今年も全国俳句大会に参加しました。

   第58回 全国俳句大会 令和元年9月10日

             大木満里

 
 台風一過。とはいえ甚大なる被害を残し、あげくは酷暑の再来!!
息も絶え絶えに、エレガントな銀座の街をフラフラと歩く。
どこか、お洒落な異国の街のようにも思え、
せめて背筋だけでも伸ばさんとするが、雑踏の中では
キョロキョロとただ彷徨うばかりである。
 
それでも、十数名の「都市」の皆さんが、東京は、有楽町の
朝日ホールに馳せ参上しておりました。 
 
愛犬の散歩のため遅刻しそうになり、急ぐあまりに、
サンダルをそのまま履いてきてしまって、“シマッタ!”という
表情をされた方もいらっしゃつたが、なんのなんの。
この秋流行のサンダルかと思えたのは、さすがお洒落が
身についてる。

                                靴

 
会場は、満席になるほどの大勢の来場者であるが、樋口冬青さんが
受付の仕事をてきぱきと務めていられるのが、目に入る。
一般の部は、約1万5千句の応募があったそうである。
大会賞6名、秀逸賞10名の方々の表彰のあと、
選者の先生方の講評があった。

中西先生はジュニアの部(約2万4千句の応募)の講評を
されたが、いつもながらの凛としつつも、説得力のある話しぶりに
聞き入ってしまった。

大会終了後、中西先生を囲み、懇親会を開く。
和気藹々の会の後、電車の中での雑談で、先生がふと洩らされた
「句を作ることは、自分との闘い」
その一言に、本当に心が引き締まる思いだった。心したい。

  大会の結果

○入選(村上喜代子選)
  
    白髪の律儀に伸びて春行けり       菅野れい
  
                          pinnku.jpg
                   

  予選通過
  
    磨滅せる顔ほのぼのと風光る       金野露山 
   
    二階より人降りて来る西瓜かな      鈴木草心
  
    妣の指ぬきふるさとは雪の中       林  稚


○当日句入選
  
    破顔なる月の机の写真かな        永井 詩
  
    除染せし大地に根付き青葡萄       大矢知順子
  
    連れ立つて少年達の初浴衣        樋口冬青
  
    秋暑し山の背に雲乱れ立ち         甲光あや

 

来年は、4月15日投句締切、9月15日(火)に実施とのこと。
奮って、ご参加を!!‘

現代俳句勉強会には、平日なので不参加の燐さんが、渡邊白泉の句を鑑賞しています。

           渡邊白泉の一句
                            本多 燐
     

         戦争が廊下の奥に立つてゐた

私の祖父は、戦争で死んだ。兵隊として、中支から南方へ送られる船が
撃沈されたからであった。私がそのことをはっきりと意識したのは、
中学生の時だった。父が私に、戦地の祖父から送られたハガキを
見せてくれたのがきっかけだった。

                         1hasuchiru.jpg
 
そのハガキは祖母の遺愛の文箱に納められ、数枚あった。
いずれも軍事郵便で、宛名は祖母と父、その弟。裏を返した文面には、
細かい文字がびっしり書き込まれてあった。
同じ文箱には、宛名先不明として返信された祖母から祖父への手紙もあり、
幼かった父が無邪気に描いた戦闘機の絵も同封されていた。

それらに書かれた細かい文字を、一つ一つ拾いながら読んだ日の衝撃は、
いまだに忘れなれない。窓外に五月雨を見ながら、冷たい板の間に座り込んで、
祖父が戦争で死んだこと、その祖父の息子が父であること、そしてその息子が
私であることに思いが至った時、私の運命のすぐ隣にも、戦争があったことが
実感されたのである。それは、私も歴史の当事者の責任ある一人となった実感であった。

そのことと時を同じくして、大岡信の「折々のうた」(岩波新書)を読み、
掲出の白泉の句に出会ったのであった。その出会いは、短詩型表現が
何らかの本質に触れる奇跡を知った瞬間であった。
祖父の戦死を意識した中学生の私が、何にも言い得ることができないほどの
感銘を受けたことを、今でも昨日のことのように覚えている。 

                                    指



ところで、白泉の掲出句が昭和十四年の作品であることに、
あらためて気を留めてみたい。
仮に、この句が戦後に作られた作品として読まれるならば、
どこか言い訳めいた冷笑的な句に終わってしまわないだろうか。
短詩型表現が社会性を求める時、やはり歴史の瞬間の当事者として
詠まれたものでないと、その力を十分に発揮することができない。
散文と異なり、分析する力を持ち得ない短詩型表現にとって、
それは必須の条件なのだろう。渡邊白泉の掲出句は、
そのことを見事に証明してくれていると思うのである。