4月から復帰のまりさんは吟行に遅刻!白子丼を我慢して、、、
鎌倉腰越吟行記(六月四日)
大木満里
快晴。江ノ電・腰越駅の集合時間に1時間遅れて到着。
もう「都市」の皆さんは腰越海岸で吟行を始めていられる。
私も海岸に急ぐ。
途中、白子丼の店先には順番を待つ客が溢れていた。と、
ふと横目に飛び込んできた看板には「満福寺」。
内心クスリとしながら、なおも急ぐと
彼方の寺の境内に見慣れたる顔・かお・カオ。
句帳に書き付けている表情は真剣そのもの。
もう海岸での吟行は終ったらしい。
真つ青な海を背(そび)らに昼寝かな 中西夕紀
「小動山(こゆるぎさん)浄泉寺」は海の寺らしく
祠には海神(わだつみ)とある。
展望台からは江ノ島が一望できる。
パノラマに広がった海に白帆をつけたヨットが右に左に行き交い
吹き上がる風が心地よい。最高の日和である。
後は白子丼を昼食に満喫したら・・・ムムッ。
聞けば、七句出句。
頭はスカスカで、まだ一句もできていないではないか。
ナクナク、白子丼を予約された皆さんと別れ、満福寺に行く。
満福寺は、平安時代に行基が開いた義経所縁の寺である。
頼朝に疎まれた義経が弁慶と共に蟄居し、嘆願文を書いたという。
本堂には鎌倉の地らしく義経の一生を鎌倉彫りの技法で
描いた襖絵、境内には硯の池・弁慶の腰掛石などがある。
拝
観後境内のベンチでそれぞれ昼食をとり、句を作る。
白子丼の昼食を済ませた皆さんも満腹の満足気な表情で合流。
いよよ時間とあいなり、再び江ノ電に乗り句会場の鎌倉に向かう。
主宰特選句
とりたての鱸投げこむバケツかな 高木光香
腰越港眼下に扇子使いけり 盛田恵未
釣り人に見物多し青嵐 杉本奈津子
今回の吟行の進行役は梢さんと詩さん。ありがとうございました。
句会終わりし後のビールでの乾杯はさぞやおいしかったことでしょう。
残念ながら私は家路に急ぎましたが、
さすが古都鎌倉の夕べは、観光客で賑わっておりました。
空海の一生(ひとよ)青桐くぐるとき 中西夕紀