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俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

豊かな森の国を旅行した、山男の岳童さんが「木の国で考えたこと」とは

Posted by レオフェイ on   0  0

         北欧旅行(木の話)

                     川合 学童



              木肌



北欧4ケ国を旅行したのは6月下旬から
7月頭に掛けてでした。

デンマークのコペンハーゲンに到着した時に少し感動した事が有ります。

それは、空港が全面ウッドフロァー、木の床だったのです。
長旅で疲れた足裏には優しく何故か懐かしい思いさえしたものです。

そこからまたフィンランドへと乗り継ぎヘルシンキへ到着しホテルに
入った時にはつくづく遠くまで来たものだと思いました。

翌日、豪華客船でバルト海をストックホルムへ向いました。

この辺りは、北極圏に近く、日没は十一時ごろで
日の出は三時頃と夜が短く夜中でも真っ暗に成ることはありません。

白夜が明けるとバルト海に浮かぶ美しい島々には白樺と赤松が
程よく茂り、家毎の船着場にはボートやヨットが舫って有り
入り江には白鳥が遊び、平和な佇まいを見せていました。

翌朝ストックホルムで下船、公園のあちらこちらでは、
人々が水着姿となり芝生に寝転んで日光浴をしています。

我々日本人から見るとまだ肌寒いのですが太陽の乏しい
北欧の人々から見れば待ちに待った太陽の季節です、

ちょうどこの日は夏至祭りでした。
マーケット広場では白樺の若木を街角や
港に浮かぶ船に飾り付け、日本で言えば
七夕か門松の様な感じで祝っているのです。

この夏至祭は北欧の人々にとってクリスマス以上に大切なお祭りです。

     樺の木を船にも飾り夏至祭

オスロのビーゲランの彫刻で有名なフログネル公園の鉄の門を入ると
広い園地の通路に沿って両側に菩提樹の並木が
鬱蒼と茂って続いています。

菩提樹はお釈迦様がその木の下で悟りを開いたと
言われている聖なる木です。

北欧の人々は、この葉をお茶として飲むそうです。

このお茶を飲むと、お釈迦様にあやかって
精神が安定し悟りの境地が得られるのだそうです。

菩提樹は街路樹としても多く植えられ、
大木となって茂っています。

それに引き換え日本の街路樹の多くは、
ちまちまと剪定され、まるで盆栽のようです。

何故このように違うのかと言うとそれは電線です。
あちらの市街地には殆んど電線、電柱が無いのです。

そして街路樹の枝をなるべく切らないようにと信号機が低いのです。
いかに自然を、木を大切にしているか分かります。

わが国でも学ぶべきでは無いでしょうか。

オスロからバスでリレハンメルへ向かい
オリンピックで舟木選手が飛んだジャンプ台
荻原兄弟が活躍した会場等を見て更に北上します。

この辺りでは、典型的な森と湖の国と言われるノルウェーの風景で、
白樺・赤松・唐檜等の自然林が美しい佇まいを見せています。

ノルウェーでは今でも林業、製材業が主要な産業として
続けられているそうです。

赤松は日本の松と違い杉や唐松の様に真っ直ぐ伸びています。
唐檜は、唐の檜と書き良質の木材と成るそうです。

やがて峠に差し掛かると赤松や唐檜は見られなくなり
丈の低い、白樺や岳樺だけの世界となります。

谷の斜面には羊が放牧され長閑に草を食んでいます。

この谷の行き止まりが氷河となっています。
ブリクスダル氷河には急な谷間の細い道を
タイヤの太い6人乗りのバギー車で直ぐ際迄行けます。

昨年まで使われていた馬車は、馬が何かに驚いて暴走し
谷に転落し、それ以来バギー車になったそうです。

私はこの氷河に四つん這いになって暫く登ったのですが
自力で降りられなくなってしまい、レスキュー隊の少年に
ピッケルを貸して貰いようやく降りる事が出来ました。

それからまたバスに乗り込み、いよいよ標高を上げて行きます。
森林限界となる標高1,030mの峠の頂上付近では、
一面雪と氷の世界で、深い霧の中をバスはどんどん奥へ入って行きます。

この時は皆押し黙って不安感を隠しきれませんでした。
この不毛の峠を越え、絶壁のバス幅いっぱい一杯の
いろは坂の様な道を下る時には生きた心地がしませんでした。

暫くして緑が僅かに見えてきた時にはホット胸を撫で下ろしたものです。

途中バスを停車させ展望台から遥か眼下に
フィヨルドの最奥の港の集落を眺めた時は
お伽の国を見たような感動でした。

この辺りで眼に着く紫蘇色の葉を持つ赤橅を私は初めて見ました。
先ほど眺めたガイランゲルフィヨルドの港のホテルで泊まり
翌朝フィヨルドクルーズに出発。

氷河に削り取られた岩壁の両側からは雪解けの滝が大迫力で
いく筋も流れ落ちています。
もう一つのソグネフィヨルドは深さ1,300m、長さ200kmと
世界一だそうです。

        悠久を流れて迫る氷河かな

二つのフィヨルドクルーズを終えて
フロム鉄道・ベルゲン鉄道を乗り継ぎ
ベルゲンへ向かいました。

途中大きな滝、大瀑布の前で5分間停車。
下車すると不思議な音楽が流れ、
滝しぶきの中に真っ赤な衣装を纏った妖精の舞う姿が見えました。
これはフロム鉄道演出の心憎いサービスです。

翌日ベルゲンの世界遺産ブリッゲン地区を
観光しました。

この街はドイツ人が魚の集積地として発展させたといわれています。

ハンザ博物館は数百年の木造建築で、昔は北洋で捕れた
干鱈の倉庫だったもので、今でも商社が事務所として使っています。

この建物は赤松材で作られています。
ノルウェーの赤松は、唐檜と並んで腐りにくく堅牢で
しかも松脂の効果で冷蔵施設が無かった昔の保存倉庫としては
最適だった様です。

空路また最後の訪問国デンマークへ飛び、
コペンハーゲンでは人形姫の像、世界遺産のクロンボー城
チボリ公園等観光。

この街の、街路樹にはマロニエが多く見られるようになり
北部とはまた違った町並みです。

            
わが国にも立派な造林地も有れば、先日世界遺産になった知床の自然・
白神山地の橅、屋久島の杉をはじめ木曽の檜
八ヶ岳の御柱になる樅があります。

裏磐梯


さらに身近な所では私共が目指す山々にも
手つかずの原生林が多く残っています。

せめて我々に出来る事は、この生態系を壊すことなく
後世に伝えてゆく事ではないでしょうか

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