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俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

待ちに待った主宰の句集の感想を 一言!!              

Posted by レオフェイ on   0  0

    「朝涼」一句鑑賞

                    永井 詩



主宰には早く句集をお出しくださいと申し上げてきた。
新しい結社としては、なにより、主宰の句集が良い宣伝に
なると思ったからだ。

そして、いよいよ待ちに待った句集が、角川書店の
「角川21世紀俳句叢書」から出版された。

結社の内外でも、評判は上々である。
実は私は、嬉しい反面、主宰になられた故か
句が少し古風になられたのではと心配していた。

ところがこれは、全くの危惧であった。
こうして一冊にして拝見すると老成というより
結社を立ち上げられ、様々な経験をされた事で
人間的深みを増され、句はどんどん進化をとげていたのだと
つくづく思いしらされた。

         樹



私は、今まで、その場の気分が出た句を作りたいと
言ってきた。主宰は、「気持ちは人それぞれによって違うから
写生することで出しなさい」とおっしゃってきたが、
主宰の「写生の勧め」の引力を避けよう避けようと
してきたからこんな思い過ごしをしてしまったのではと
反省中である。

日頃我々に、提唱なさっている「写生」、つまり
物をしっかりと自分の視点で見て描くことで、
背後への広がり、作者の思いなどが感じられ
立体的な俳句になるのだと勉強できた「朝涼」であった。

句集を出されたことで、主宰の句をしっかり読ませて
頂けて本当によかったと思う。


   
    ミモーザや死者の蔵書に囲まれて


私はこのようにさらっと描かれていながらも
ぐぐっとくる俳句が好きだ。

この句を見た時、エジプトのピラミッドに閉じ込められたような
死者の思いに捕らわれて、身動きできないような気分になった。

生きていれば鬱的な時もあるだろう。この本もあの本の持ち主も
もうこの世の人でない。どうせ人は死ぬのだと
暗い淵に引き込まれそうな時もある。

しかしなんといっても季語が「ミモーザ」である。
死ぬからこそ生き生きと生きようと思えてくるのだ。

          あと何年



早春に咲くミモーザは日差しは明るくても、まだまだ寒い時期に
華やかに、そして希望に満ちた黄色の花を咲かせ、
我々を明るい気分にさせてくれる。

季語の力は強い。金縛り状態の私のイメージを一変させ、
死者を、その人々が大切にした蔵書も、そして、
今の持ち主までもが祝福されているようである。

その上、何だか長い長い人類の歴史や引継がれていく
文化にまで思いが連なり、はるかな宇宙の過去や未来にまで
広がっていくような句である。


            時計


          

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