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俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

ゆるキャラの透さんの登場です。

Posted by レオフェイ on   0  0

      至福の通ひ猫
                山城透  
      



去年の春に引越して同居するやうになつた妻の実家では、
彼女が子供のころから犬を飼つてゐましたが、
その犬が死んでから、お向かひの家の猫が
毎朝やつてくるやうになつたさうです。

アメリカンショートヘアーといふ種類で、
おつとりとして人懐こい猫です。

お向かひの方に聞いた話では、迷ひ猫として保護したのが
飼ふやうになつたきつかけだつたとか。
だから年齢もはつきりしません。

ウチに来れば鰹節をたんとあげてゐますし、
勿論お向かひでも御飯をちやんと出してゐるので、
ちよつと太り気味です。

       猫


毎朝七時には縁側の辺りに来て開けてくれと鳴き、
台所のソファに座つてテレビを見てゐると
決まつて膝の上に乗つてきます。

いくら鰹節を食べた後でも、食べ物があると目敏く見つけ
機嫌が悪いときは粗相をしたりもしますが、
我が家では誰もこの猫を追ひ出さうといふ者はをりません。

気まぐれに外に出たかと思ふとまたすぐ帰つてきたり、
庭で野良猫と小競り合ひをしたり、
それでも夕方にはちやんとお向かひに帰つてゆくのです。

               帰宅



何とも羨ましくも気儘な生活ぶりですが、どうも迷つてゐたときに
事故にあつたと思はれるやうな歩き方をするときもあつて
やはり猫の暮らしも人間同様、はたで見る程
楽なものではないやうです。

やや猫アレルギー気味の妻は
「こんなに猫好きだとは思わなかつた」とからかひます。

確かに自分でもかうなるとは思つてもゐませんでした。
子供の代わはりかも、と思つたりもしますが、
まあ自分の家の猫でもないし、それほど責任ないからなあ、
などと嘯きながら今日もせつせと猫用の皿に鰹節を入れるのです。

  
      茶碗


     通ひ猫の器洗つて野分立つ
                   
                                透

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