線香花火 山城透 もう二度と来ぬ町線香花火買ふ 砂金明一読、さだまさしの「線香花火」を思ひ浮かべました。花火といふ、非常に派手なまさに夏らしいものでありながらいえ、であるからこそでせうか線香花火はその語感も伴つて寂しげな晩夏の雰囲気を漂はせます。別に買ひたいとも思はず買ふ必要もないのに買つてしまつた花火。生まれ育つたところでもなく知己がゐるわけでも...