万太郎の一句 杉本奈津子 囀りに木洩日に刻うつりけり 久保田万太郎春になって鳥の声も地鳴きから恋の囀りへと変わってきた。木々の芽吹きも日々解れ若葉も濃い緑へと変わりつつある。木洩日が地面に丸い輪を作っている。時は刻々とうつり春を運び楽しげな鳥の声も木洩日の揺れも時間の速さを知らせて...