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俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

「都市」の一句鑑賞リレーです。(七回)

Posted by レオフェイ on   0  0

       一句鑑賞

                        田中翔子
  
     
      
  二階への暗き階段雛の燭
                           丸山 桃



この句に出会ったのは昨年2月の中央句会の時で、
私は迷わず特選にいただきました。
それは以前に訪れたことのある足柄上郡開成町の
瀬戸屋敷の雛飾りを鮮やかに思い出させてくれたからです。

         IMG_0681.jpg
        

その地方の代々名主を務めた瀬戸家の古い屋敷の、
部屋という部屋に飾られた歴史ある雛人形と調度品、
天井からもたくさんの吊るし雛が下がり、
色彩も豪華なそれは見事な光景でした。

さらに屋敷の裏にまわるといくつかの蔵があり、
そこでも雛飾りを展示してあるので入ってみると、
屋敷の雰囲気とは違って、薄暗い土間の
ひんやりとした空気に包まれます。

大きな木の階段を登ると、江戸時代から伝わる
お雛様たちが厳かにひっそりと並んでいるのが
暗闇に慣れた目に入ってきます。
まるで長い刻を重ね私達を待っていたかのようです。

            IMG_1159.jpg


桃さんの俳句はこの時の体験を、
しっとりとした空気感と共に
よみがえらせてくれました。
自分でも俳句にしたいと頑張ったのですが
うまくいかず抽斗の奥にしまったまま忘れていたのです。

おそらく作者の思いとはかけ離れた勝手な
解釈かもしれませんが、この俳句のお蔭で
あの時の感動に再び浸ることができました。

その後の句会において私はたびたび桃さんの俳句を
選句していることに気付きました。
欠席投句を続けていらして、一度もお目にかかったことが
ないので、選句した俳句の作者が桃さんだと知る度に、
どんな方なのかとても気になります。

見知らぬ方と感動を共有するって、やはり俳句を通して
心がつながったようで、嬉しく、幸せな気分になります。
桃さん、お会いできる日が来ることを願っています。


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