主宰の俳句鑑賞1 野川 美渦 草笛のどこかとぼけてをはりけり 中西夕紀第三句集『朝涼』に収められたこの句は、主宰の自選12句に入っていません。おそらく『都市』の会員にも『朝涼』の中から特別に取り上げられることはあまりないと思われます。あれは七国山吟行でのことでした。草笛を吹けると自慢した私に、主宰は「吹いてみて」「吹いて...