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俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

光弘さんが実体験から、誓子の句を読み解きました。

Posted by レオフェイ on   0  0

  私の好きな1句
                       坂輪 光弘


七月の青嶺まぢかく溶鉱炉    山口誓子

IMG_4715.jpg

この句は、誓子が大坂住友合資会社に入り、
北九州の八幡製鉄所に出張を命じられた時に
作ったものだそうです。

俳句を始めて間もない私ですが、
工場などの句をこれまで目にしたことがなく、
特に鉄の会社に入り、最初の実習で高炉工場に配置されたので、
入社当時のことを鮮明に思い出し、
思わず目にとめた句です 。

工場に入ると工場長席の上には神棚を祭ってあり、
隣に工場の全てを知っている“宿老”と言われる老人が
座っていました。更に工場では、一酸化炭素などの
有毒ガスの検出感度が最も良いカナリアを飼っていました。

IMG_2594.jpg


後にサリン事件で機動隊がオウム真理教の本部に突入する
先頭の隊員が鳥かごを持っているのをテレビで見て、
あれはカナリアだと思いました。

現場では、兎に角[体で覚えろ]と先輩に言われましたが、
熱いのとスケールの大きさに圧倒され続けました。

同じ 誓子の句で後に大阪で作った
夏草や汽罐車の車輪来て止まる
があります。
私も若い頃で、夏草のむっとした暑さと、
製鉄所のスケールの大きな中で必死に生きていたのだと思います。
それらを同時に思い出すことのできる句です。

定年後、学校に奉職して、学生と共に大学祭などでたたら製鉄や、
炭焼きなどを試みました。ドラム缶でたたら製鉄をやった時、
前の会社の連中が来て、今は操業を空調の効いた部屋で
テレビの画面を見ながらやるので鉄を造る実感が
わかないと言いました。
ドラム缶でやれば、鉄が溶ける温度の1500度以上になると
肉眼で見ると危険なこと、砂鉄から溶銑が出てくるところは
本当に神秘的なものです。

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