松本たかし一句鑑賞 三森梢 村人に倣ひ暮しぬ吊し柿松本たかしは、二つの人生を生きた様に思います。明治三十九年宝生流の名門に生れ、父と祖父の薫陶の下、厳しい修練に明け暮れた少年期。心身の不調から家の芸を継ぐ事を諦め、俳句の世界で生きた日々。この二つの人生の境目の頃、鎌...