都市の一句鑑賞(25) 北杜 青 枯菊を括れば胸に日の匂ひ 森 有也 刈り取った枯菊の大きな束を全身でいだくように括っているのです。冬の静謐とした日の光を蔵して、なお色を残した枯菊が作者の胸に日の匂いを残していきます。対象への思いが抑揚の効いた表現によってしみいるように心深く残ります。 ...