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俳句でおしゃべり-都市ー

〜「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。〜
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久しぶりに良さんのショートショートです。 2020.03.09
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イベント部より 2020.01.27
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現代俳句勉強会で草田男の担当の、夏斗さんがロマンチックに語ってくれました。

       中村草田男の一句鑑賞
                             秋澤夏斗

  貝寄風に乘りて歸鄕の船迅し   草田男


草田男の第一句集『長子』の冒頭を飾る一句である。
故郷を目指す船の甲板に佇んで、草田男は遥か彼方の
故郷の方角を眺めている。
やや強めの春の風が吹いて、船は海を滑るように進む。
冷ための風が心地よく草田男を包み船のスピードにつられて
故郷への思いも高まって行く。

                DSCF5580.jpg


作者の故郷は松山。瀬戸内海に浮ぶ島々も、またたく間に
視界から消えてゆく。瀬戸内海の風と、作者の高揚した気持ちが重なった
とても気持ち良い句で、『長子』の冒頭の句としてふさわしい。

ここまで想像して、はたと気付いた。歳時記を紐解くと貝寄風は
「冬の季節風のなごりに3月下旬ごろ吹く西風。
この風で大阪住吉の浜辺に打ち寄せられた貝から造花をつくり、
四天王寺の聖徳太子をまつる聖霊会に献じたという。」
と書かれている。

IMG_2402.jpg


松山へ向う船はおそらく関西方面から出発したのではないか。
とすれば、故郷へ向う船を迅くしているのは東風ではないのだろうか。
地図を調べても西方から松山へ向う有力な航路は見つからない。
 
何故、草田男は「貝寄風」を用いたのか。色々考えた挙句に
私はひとつの結論を得た。つたない私の考えでは、「強東風」では
句にロマンが生まれない。草田男は瀬戸内海に生息する数多の貝を
引き連れて故郷を訪ねたかったのであろう。

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