都市の一句(45) 金野 露山 夏草や腰を痛めて負戦 茂呂詩江奈 作者の顔が浮かぶ場合は書きやすいかもしれないが、遠慮がちになる。逆の場合、プレッシャーはないものの、的外れになる危険がつきまとう。 作者は未知の人であることをお断りしておく。掲句は都市8月号から引いた。最初は3句目の〈稲妻を借りてやうやう適ふ恋〉に食指が動いたが、ご本人を知らずして書くのは無理がある...