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俳句でおしゃべり-都市ー 「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

都市の1句です。稚さんの人柄も伝わります。

   都市の1句 (53)    平澤ひなこ

     子の向けば亡夫(つま)居るごとし秋の虹    林 稚

「子の向けば」は呼びかけると「何」と振り向いた子か?
「母さん」と呼びかけるため振り向いたのか?
成人した子の声や表情や仕草のすべてが、亡夫に酷似していたのだ。
思わず「お父さん」と呼んでしまいそうになって、一瞬、亡夫との
思い出が走馬灯のように浮かんだのだ。
季語の「秋の虹」のはかない美しさが、ぴったりの幻想的な句である。


鳩


 稚さんとは、あゆみ句会からざぼん句会と五年余り句会を
共にしている。稚さんは自分の時間をボランティア活動や習い事に
いそしみ、超多忙な日々を送っているため、月一回の句会と吟行の折に
言葉を交わす位である。
だから、句を通して人となりを想像している。

 この句は、稚さんの多くの「夫恋い」の句の中では青春というか
甘く切ない。他の句では感傷に浸るばかりでなく、気質なのだろう、
骨太でたくましいところがある。「どっこい生きている」感じである。
足を地に着けて確実に前進している。初心者の歩み句会から、
スッテップアップを目指して、早くにざぼん句会に入会した程
やる気のある人である。そんな稚さんには、「夫恋い」以外の句も
感性豊かで、楽しい句が多くある。

                                     夫婦


 稚さんの「夫恋い」の句は、句会に出される度に、その若々しい
感性が読者の心をぎゅっとつかむ。自分をしっかりと中心に据え、
心の中で夫を感じる日常を「生きている」のだ。
今、「夫恋い」の句集を編んでもらえたら、きっと癒されるだろうなあ。

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