FC2ブログ

俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

Top Page › 未分類 › 今年は「都市」のメンバーの今までの句の中で、お気に入りの一句を紹介するコーナーを設けました。
2013-01-08 (Tue) 20:16

今年は「都市」のメンバーの今までの句の中で、お気に入りの一句を紹介するコーナーを設けました。

       妄想旅行
             
            栗山 心

  
    
      姫とよびマダムとよびて冬薔薇
                            
                                山城透(都市2010.4月号)

「姫~」と呼び掛けられたのは、
若き日に、当時ハマっていたゲイバー。
野太い声のママさんは、私がコートを脱いだ瞬間、
こちらの性別を確認したのだろう。
ここでの私は部外者、お客様扱いの「姫」であった。


           マダムと花屋

「マダ~ム」と呼ばれたのは、22歳、初めてのフランス。
パリ7区の「ミシェル・ショーダン」は、
一粒何百円かのチョコレートを手袋を嵌めた店員が、
宝石を扱うように売るショコラティエ(チョコレート専門店)。
明らかにマダムではないアジアの小娘に、
少しの皮肉と客としての敬意を込めた「マダム」。

掲句から浮かんだ、私の思い出。普段忘れていたことが、
俳句を読んだ瞬間、突然甦ることがあるが、
この句はまさにその体験をさせてくれた。

もしかしたら、
「薔薇にはマダムやプリンセスの名前がついている」
位の意味なのかもしれない。しかし、私の追憶は
やがて妄想に変わり、留まるところを知らない。
冬薔薇と自分のいる場面が、ランダムに浮かびあがる。

             万年筆


作者の山城透さんの句は、いつも極端に情報が少なく、
現実なのかフィクションなのかも定かではない。
そんな透さんの句を前にして、私は過去に未来に、
更には自分の経験すら離れて、自由に俳句の世界に
遊びに出掛ける。そして楽しい小旅行をしたような気分で、
元の世界に戻ってくるのだった。

スポンサーサイト



最終更新日 : -0001-11-30

Comment







非公開コメント