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好きな俳人の一句鑑賞を始めます。まずは美渦さんから。みなさんの参加を待っています。
2013/ 03/ 26万太郎の一句
野川美渦
さくらもち供へたる手をあはせけり
久保田万太郎
前書の三月十日は東京大空襲の日です。
東京の空は真っ赤だったと、毎年聞かされて育った私は
この句に惹かれます。

仏壇に長命寺あたりのさくら餅をお供えして、
すぐにお下がりを戴こうと思っていたのでは、、、、
しかしそのまま手が勝手に動き合掌して、思いのほか、
ちょっとだけ長くおまいりしたのではないでしょうか?
今まで、万太郎といえば猫好きのおじさん(失礼)くらいにしか
思っていなかった処、三月の『都市』の現代俳句勉強会で
万太郎のこの句に出会いました。
この句を見付けて『万太郎も可愛いところあるじゃん』と
心密かに思いました。
三月十日、さくらもち、手を合わす、この三つのキーワードは
東京生まれ東京育ちの万太郎が詠んだからこそ、
今も古木の桜のように訴えるものがあるのです。
万太郎はやっぱりいいな~と思いました。
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