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俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

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2013-04-01 (Mon) 13:21

「都市」の俳句鑑賞リレーの4 回目です!

      万緑
                 星野佐紀


    万緑や若き声明堂を満つ   

               盛田恵未(2008年10月号巻頭句)
            


一読して「あの寺のあそこだ!」と、叫びたくなる句だ。

近鉄大阪線長谷駅より初瀬川沿いの初瀬街道を徒歩20分弱。
真言宗豊山派総本山長谷寺は、小初瀬山の中腹、
断崖絶壁に張り出す舞台を持つ懸造り。
本堂へは、399段の登廊。天井からは等間隔に灯籠が吊るされ、
両側には、かの有名な牡丹、牡丹、牡丹が続く。
灯籠を見上げながら1段1段登る作者に、
声明が大きく聞こえてくる。

本堂内には、髭の剃りあとも初々しい横顔が並ぶ。
若い僧達の緊張した顔とその口から発せられる声明に、
作者はきっと「はっ!」としたに違いない。
勤行が行われていたのだ。
暫くは、辺りに響き渡る声明に聞き入る作者。

そして、声明を背に本堂の舞台に出てみる。
清水寺の舞台程広くはないが、思わず歓声を挙げたくなるほどの眺め。
眼下の起伏を生かした境内の佇まいが、一目瞭然だ。
緑滴る中に、仁王門、登廊、五重塔等の屋根が、黒々と覘く。
その先は、通ってきた門前町へと続く。

すばらしいのは、遥か正面の山並みである。
明るく瑞々しい緑が、帯のように横たわる。
愛宕山、岳山、与喜山などだ。
舞台からの視界は、正に“万緑”そのものである。

           IMG_4981.jpg
           

若々しい張りのある堂々とした声明は、まだ続いている。
それを耳にしながら、目の当たりにする“緑の世界”。
作者の感動が伝わってくる。

西下の折、長谷寺を訪ねる度に、盛田恵未氏のこの句が口をつく。
今年は、初瀬参りが出来るだろうか。
ぜひ、実現させたいものだ。
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最終更新日 : -0001-11-30

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