「都市」メンバーによる、メンバーの俳句鑑賞リレー(六回)です。
2013/05/20 「都市」俳句鑑賞リレー (6)
野川 美渦
金魚玉ひとり暮しの真ん中に
田中翔子
たった一人ではなく,金魚玉と日常を共にする、
明るく華やかで楽しい暮らしが見えてくる。
クールビューティーな作者のイメージから、
金魚玉の中は金魚ではなく、たぶん琉金。
朝は「おはよ」 昼は「調子どう?」
夕方は「おつかれ」 夜は「おやすみ」
日々生活のパートナーの琉金をもちろんいたわる。
時々自分から話しかけたりする。
「今日こんなことがあったよ」
金魚玉に映る自分の顔がびろ~んと楕円に広がって、
思わず噴き出したりすることだってある
この金魚玉を中心に作者はいつも口角を上げる毎日を送っている。
作者の生き方も、この琉金のようではないだろうか。
水に自由に、器に丸くしなやかに、厄介な仕事もストレスも
ひらりとこなしてかわしているに違いない。
2年前のちょうど今頃、作者の田中翔子さんはこの句をもって、
中央句会に初参加し、多くのメンバーの特選並選、
そして主宰の特選をさらった。
華やかに句会デビューを飾った翔子さんだが、浮かれる様子もなく
こつこつと句を作り続けている。
先日のにんじん句会に満を持して初参加し、
またしても多くのメンバーの特選となった。
翔子さんの登場はいつもセンセーショナルで、
JJJ・じぇじぇじぇ~なのだ。
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