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俳句でおしゃべり-都市ー

「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

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2013-08-06 (Tue) 21:18

今回の一句鑑賞は、新メンバーの弓夫さんの登場です。

           一句鑑賞

                        林 弓夫
  

    女 来 と 帯 纏 き 出 づ る 百 日 紅
                            
                              石田 波郷
 

1939(昭和14)年の作品。『風切』(1943年刊行)所収。
掲句は波郷の満26歳の青年時代の作品。

この作品の背景として、水原秋桜子を頼り1932
(昭和7)年2月
松山から上京。1938(昭和13)年6月、それまで寄寓していた
石塚友二宅を出て駒場会館アパートへ移っている。
そして7月には妹真砂子が上京して来て同居することになる。
こういう背景のなかで掲句をみてみよう。

真夏の暑い盛りの都会でのちょっとした出来事である。
男一人の下宿かアパートに女が尋ねて来た。
大家の小母さんにいわれてあわてて、半裸の状態から
着替えているさまがみえるようだ。

ここはやはり、一階ではなくて二階にいることを想像したい。
あわてて着替えて二階から階下へ降りてゆき、女と会う。
ここではどのような女であるかは詮索してはいけない。

             IMG_9889.jpg



下宿の周りには蝉しぐれが鳴り響き、百日紅が咲いている。
この百日紅はより涼しさを感じさせる白色ではなくて、
少し暑苦しさを感じさせる桃色である。

この句には、炎昼のなかにいるどこかだらしのない青年像が
浮かび上がり、波郷の青年時代の句では好きな作品の1つである。
学生時代、私にもこういう経験があり、なぜかこの句が思い出されるのだ。

実際に波郷はこの時期、「愛欲の事件」があったらしいが、
その内実は他人には何も語ったことはない。

                IMG_9565.jpg


破郷は、よく女性の句をこれ以後も作っていくが、
露骨ではなくあっさりとしており、西東三鬼のような性的なものはない。
外に、女の作品では「六月の女すわれる荒莚」(1946年)が好きである。
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最終更新日 : -0001-11-30

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