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今回の「都市」の俳句鑑賞リレーは、どなたでしょうか?ニコ!!

      「都市」メンバーによる都市の一句鑑賞(9)
                   
                       大木満里 

    
     シャガールの牛と村行く昼寝覚  
              
                永井 詩(2011・8月)

                          

シャガールの夢。真夏のシュールな夢はまだ、
覚めてきっていないらしい。いい。こんな夢は
覚めない方がいい。しかし、夢は覚める。

シャガールの一幅の絵の中にたゆたった、昼の一睡の夢。
鮮明な色彩。溢れる詩情。幸せな時間。夢に働く想像力。
夢は自由だ。     

作者もシャガールの絵の構図の中に同化し、
溶け込んでいるらしい。ふふふ。牛をひいている、
何とも幸せな表情が見えてくるではないか。

           IMG_0842.jpg


シャガールの画集をめくっているうちに、
昼の眠りについたのだろうか。これは、真夏の
白昼夢である。だからこそ、こんなシュールな夢を
見ることができたのだろう。
(ああ、うらやましいよなあ。人生を豊かにすごすって、
こういうことだよなあ・・・)

以前から永井詩さんの句の着想のユニークな意外性、
大胆な構図に心惹かれるものがあった。
しかも口語での句作。

かって2011・8月号の「村上鬼城研究」の記述の中で、
村上鬼城の境涯作家へのみの視点に疑問を呈し、
「俳句の言葉から、想像し、その詩心を味わいたいのです。
俳句は『詩』であるのですから。」これは、村上鬼城を
境涯作家の視点からその句を読んでいた私に、
先入観で読んではいないか。固定観念で読んではいないか。
と自省させるものだった。 

句はもっと自由であり、詩心のあるものである。
なるほど、詩さんのこの一句に、それを感じた。
さて夢のつづきは・・・



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レオフェイ
Posted byレオフェイ

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