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最後まで投句を続けられた(12月号まで)悠さんがお亡くなりになりました。合掌 

2013/ 11/ 17
                 
    高見 悠さん追悼文

                      丸山 春流


    微笑みは静かな否定鉄線花(2013.10)


この句は2013年6月4日のざぼん句会で大注目を集めた
悠さんの句です。
当日の出席者22名の内特選5名並選2名、
中西先生の特選も獲得しました。
深くて人の心の真ん中に突き刺さるような句だと私も思いました。

それまでの悠さんの句は外国の風景を詠んだものや
日常の一片をお洒落に詠まれたものが多かったのです。

    風化せるギリシャ神殿春疾風(2012.6)

    北窓を開くや画布の海乾き(2012.8)

    炎より生まれしグラス冷酒飲む(2012.12)

    秋うららワイングラスに枯葉落つ(2013.2)


             IMG_2106.jpg

この後入院されたりして句の内容も病を
連想させるものが多くなりました。


    三食に薬七種や春深し(2013.8)

    病得て友との距離や山法師(2013.10)


句会への出席もほとんどなくなりました。
が、驚くことに「都市」への投句は毎回欠かさず
されていたのです。
私も悠さんの句を毎回読ませて頂いて、
あぁ俳句詠まれているのだから
お元気なのだなぁと思ってしまっていました。

お聞きしたところ最後は震える指で俳句を
書き付けていらっしゃったとか。。。
俳句を詠まれることが命を支えていらしゃったのかもしれません。

暗い句ばかりになって皆さんに申し訳ないと気にしておられたとも
お聞きしました。
悠さんは明るくて、子供みたいに好奇心が旺盛で、
勉強家で、だから話題も豊富でとても楽しい方でした。
(過去形で言ってしまうのが哀しいです。)

            IMG_1010.jpg
          
悠さんは冒頭のような衝撃的な句を残して逝かれました。
でも今はきっと否定形ではない笑顔を浮かべていると思います。
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