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都市の一句鑑賞は12回となりました!

2013/ 12/ 23
                 
    都市の1句鑑賞(12)

                  工藤 美風


    大欅若葉は人を燃え立たす      酒匂 了太
 
おおらかな気持ちの良い句です。
とともにぴっと身の引き締まる思いがします。
上五中三でしっかり風景を浮かびたたせ、
気持がおおらかになったところで、
しっかりと「燃え立たす」でまとめているところが、
このような思いになっていると思います。

          IMG_2638_20131223225327641.jpg


この「若葉」という季語は、初々しさ、希望、
元気という感じを醸し出します。
その若葉が空に広がっている大欅なのです。
 
我が家の東側のベランダをとおして欅が見えます。
朝日を受けた欅にまづ「おはよう」、昼間も必ず目に入り
夜になると「また明日」とカーテンを引く毎日です。
芽吹きから若葉、夏の緑、小さな花そして
黄金色の葉となり、いつの間にか枯木となり、
一年を楽しませてくれる欅です。

          IMG_0684.jpg


こんなに毎日、目にしているのにこの欅を詠んだことがないのです、
というより詠めないのです。十月の俳誌で了太さんの句が
私の心を引きつけたのです。本当に若葉を眺めていると、
「私も頑張らなくては」と思うからなのです。

思ったことを自然に詠めば良いのだと思いましたが、
この境地まで行くのは大変です。
 
十月の「都市めぐり」で夕紀先生が了太さんは
大木を詠う作者です、と書かれておりました。
手元にある俳誌の了太さんの句を読んでみると
大木の句が多いですし、とても自然に詠まれているのです。
流石了太さんだと思いました。

木はじっと同じ場所で何十年も立っています。
きっと色々な事を感じながら人を楽しませてきたのでしょう。
そう思うと愛おしくなります。
そういう大木を了太さんが優しいまなざしで詠んで
おられるのは嬉しいことです。
私もいつかこういう句を詠んでみたいなー。
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