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明けましてオメデトウございます!!トップは「都市の1句」です。了太さんが紹介する句は、、、、

2014/ 01/ 01
                 
      都市の一句鑑賞(13)
                      
                   酒匂了太

  
   若鮎の瀬に切りむすぶ光かな
              川合 岳童 (都市2013.10月号)


田舎育ちの私が子供の頃、近くの川原で
よく目にした風景である。

初夏、川に若鮎の群れが現れ、それが特に石ころの多い
浅瀬を走る時、日を浴びた鮎の体がキラキラと輝き光る。
それはまるで戦国時代の武者達が、日本刀で切りむすび
火花を散らしているかの様だ。

又、この句からは、その背景にある広々とした
初夏の川原そして瑞々しい田園風景も見えてくる。

           IMG_4779.jpg

それにしても、鮎の泳ぐ姿から、この「切りむすぶ光」
という言葉の発想はすごい。
とても、私などには、こういう言葉は思い浮かばない。

又、同じ10月号に岳童さんの
「 梅雨寒の朝犬は死を諾へり」という句がある。
私も以前、愛犬を亡くした経験がある。
前日まで一緒に散歩をして甘えていた犬が、
ある朝庭の片隅で冷たくなっていた。

おそらく岳童さんの愛犬も、梅雨寒の朝、静かに息を
引きとったのであろう。
そしてその、従容として死を迎え死んでいった様を
「死を諾へり」と表現されたのは正に、
言い得て妙である。

           IMG_5138.jpg
         
元々言葉の容量の少ない小生など、とても岳童さんの様な
人をハッとさせる様な言葉など出て来ようもないが
なんとか少しでも近づきたいものである。
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