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この季節にふさわしい句の鑑賞です!!

2014/ 04/ 29
                 
都市の1句鑑賞(16)

                     井上田鶴

      
白山の煙りし朝や田水張る
                     岩原真咲



白山は岐阜、石川の県境に聳える名山で
日本三大霊山の一つとして加賀の人々に親しまれている。

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長く雪に閉ざされていた加賀平野の雪も消え
うっすらと緑めいてきた。
体の自由を得たように農具市に行き鍬、鋤、鎌などを
供えて待つ。心が奮い立つ思いだろうか。

大地を踏みしめ、一歩一歩田打ちをし、水平にし、
鏡のようななめらかな平面にする。水がもれないように細心の注意を払う。

田水を張るとほっと一息つく。遠くの白山は雪をいただき
霞んで見える。
しかし、水田にはあたりの景色がくっきり映り田植えを
待つばかりだ。

IMG_1186.jpg


作者は金沢出身、雅な文化にふれた句も多いが、日本人の原点としての
稲作作りに焦点をあて、情景をうたったところに心引かれた。
田水張るという季語に農作業への万感の思いが込められていた。
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