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身も心も元気なお二人ですが、、、

       都市の一句鑑賞 (17)            
                            岩原真咲


    身のどこか葉擦れの音か秋ふかし     城中 良
 
声に出して読んでみました。とてもリズムが良く
するりと私の身体に入ってきました。
「身のどこか葉擦れの音か」とリフレインする
「の」と「か」が効果的です。
この句から少し淋しい、やるせない思いが
伝わってきます。

良さんと私は同年代で時々お喋りをします。
時代を共有しているので話が通じやすいのでしょう。
良さんの言葉の中にはちょっとニヒルで、ちょっと弱気で、
それでいて優しさと強気が混在しています。

それは多分幼児期から戦争の時代に育ち、
終戦を経て180度変わった戦後の日本に身を置いた年代の
私たちを解ってくれる人達がだんだん少なくなって来たこと、
それは即ち今老いが自分たちに容赦なく迫っていることと
無関係では無いでしょう。

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若々しく元気な良さんですが、時に自覚する老いの不安を
「葉擦れの音か秋ふかし」と表現しています。
私も同じ不安を抱えているので良く判ります。
「秋ふかし」の季語がしみじみと私に伝わってきます。
でもこの年代は「少し空(から)元気を出して生きて行こうよ、
自立した日々を一日でも長く」と言いながら
元気の振りをして生きています。
「元気の振り」も「元気のうち」と誰かが言ってくれましたっけ。
有り難い言葉です。
もう少しだけ頑張って生きたいと思うこの頃です。

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レオフェイ
Posted byレオフェイ

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