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マダム空さんが、山ガールだったとは、、、

  1句鑑賞

                        益山 空 

をりとりてはらりとおもきすすきかな

                    飯田蛇笏


思えば半世紀前のことである。
学生時代に、信州の山歩きを楽しんでいた。
現代であれば、さしずめ山ガールともいえる。

初秋の霧ヶ峰高原を訪れた時のこと。
一面のすすきの穂が、波のように風に揺れていた。
何故か淋しく、美しく、又優しさが感じられた。

      IMG_0260.jpg


遠くには、アルプス連峰が夕日を浴びて輝いていた。
その景色は思い出深く、今でも忘れられない。
俳句を始めて、最初に出合った蛇笏の冒頭の名句が、その時の
思い出を彷彿させる。

切り取った一本のすすきの穂を手に取ると、
その瞬間、こぼれ落ちそうに、美しさ、しなやかさ、淋しさ等が
心に重く感じられたのであろう。

         IMG_5062.jpg


「はらりとおもき」の中には、一抹の風の動きも感じられる。
甲斐の山中で培われた素朴な心がこの句を産みだしたと
思われる。蛇笏を偲ばせる名句であり、私にとっては
心に残る忘れられない一句となった。
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レオフェイ
Posted byレオフェイ

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