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「都市」鑑賞リレー18回です。

2014/ 07/ 26
                 
     「都市」の1句鑑賞リレー(18)        
                      永井 詩

      天道虫手堅く生きて空見上ぐ
                       高木 光香


俳句作りで、活写名人の光香さんは、
いつも句が健やかで爽やかである。
そして、この句のように自分の気持ちを
軽やかに句にするのも上手い。

季語よし、切れよし、リズムよし。
中七の手堅く生きてが、普通なら俗な感じになるところが
天道虫を季語にすることで俗にならず
作者の生き方を出せたと思う。

天道虫は鳴くわけでもなく、害を加えるでもなく
淡々と生きている感じがする。
なお且つ、あまり器用な感じはしない。
羽をしまい損ねてぞろぞろと歩いていることもある。

天道虫がつつと歩き、立ち止まったのを
光香さんは見ていたのだろう。
IMG_1229.jpg


手堅く生きてが天道虫的でもあり、
光香さんの生き方でもあるように思う。
光香さんは趣味豊かで忙しくしているにもかかわらず
人の為にもちょこまかと動き回っている。
そして、明るくフレンドリーである。

天道虫が立ち止まっているのを、
空を見あぐともっていくことで
自分の生き方にかけているのではないだろうか。

IMG_0872.jpg


フレンドリーな光香さんも時には、
空を見上げて「ノーと言えたら」と思うことも
あるかもしれない。
そんな気持ちが、空見上ぐという
ことばから想像できる。





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