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「ざぼん句会」のメンバーの萌さんが好きな俳人は、、、

2014/ 08/ 08
                 
         好きな俳人の鑑賞   
                           堤 萌

    
      客間とはだれもゐぬ部屋春の昼
                           片山由美子


この句を読み、ある友人宅が思い浮かぶ。
玄関脇左側に応接間、いわゆる客間がありその客間の
中央に座卓が置かれ、床の間には掛け軸がかゝり
大層な壺などが置かれて居る。
庭先の木の影が障子に映り、どっしりとした落ち着いた和室である。
通常使っている部屋は雑然としていて、急な客の時など、
あたふたとしてしまうが、普段使わない「誰もゐぬ部屋」、、、
客間とは、整然として静まりて、いつでも客人を
お通し出来る。そんな昼下がりの静寂な部屋の様子が
伺える句である。

                IMG_0071.jpg


作者は小さな雛を収集していて地方へ行くと、それぞれの土地の
民芸品や焼物など、あれこれ買い求めているうち、だいぶ数が
増えたらしい。
そうした雛達をこの客間に並べて飾り、客人に披露して
いるのではないかと、、、、。
このように思ったのは、作者には
    
     誰も来ぬはずの一日や雛飾る
という句がある。「誰も来ぬはず」、、、の春の一日、
心惹かれた可愛い雛に思いを馳せながら、
ゆったりと、時をかけ飾り揃える。
先の句との共通点があるように思う。
因みに私もミニ雛が大好きで多数ではないが、
玄関などに置いて楽しんでいる。
                  IMG_4003.jpg


作者、片山由美子さんの句はいくつか好きな句がある。

  指差して買ふきんつばと桜餅
ありふれた光景をこのように生き生きと、詠んでいる。
きんつばと桜餅どちらもしっとりとした渋い和菓子、
でもどこか童女のように弾んでいる様子。
それは、「指差して」というフレーズに作者自身の一日の
出来事、気持ちの弾みが、表れているからかも知れない。
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