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コンクール参加の極意をハヤシ先生が紐解いてくださいます!

2014/ 10/ 31
                 
第2回コンクール句会報告
                   吉川わる


10月11日(土)13時より、主宰、特別選者を含め14人が参加して
第2回コンクール句会が開催されました。
次回の投句を考えていらっしゃる方のために、
TOSHI HIGHSCHOOLのハヤシ先生にご登場いただき、
攻略法を含めてお話しを伺いたいと思います。
それでは先生、よろしくお願いいたします。

TOSHI HIGHSCHOOLのハヤシです。
第3回コンクール句会に向け、主宰の天を目指し、
いっしょにがんばっていきたいと思いますので、
よろしくお願いします。

1.コンクール句会とは
コンクール句会は、主宰が、俳句甲子園で
何度も栄冠に輝いている開成高校の句会のゲストとして
招かれたことから、都市でも行うこととなりました。

まずは参加の意思表示を行い、参加者決定から
およそ1か月で作句、十句(当季雑詠)にタイトルを付けて
イベント部に投句します。

句会当日は、あらかじめプリントされた作品が配布され、
14作品の中から90分程度をかけて優れている方から
天・地・人を選び、各自5分、特別選者は10分、主宰は15分程度で
自分の選につき講評します。

通常の句会に比べれば講評が長く、選の根拠を自分のことばで
述べることにより、選句の力も鍛えることができます。
俳句甲子園では、句の出来栄えと同じくらいにディベート力が
問われることから、開成高校が取り入れたのではないかと
ハヤシはにらんでいます。

得点は天を3点、地を2点、人を1点として集計され、
最高得点賞が決まります。

2.第2回コンクール句会結果発表

○主宰 中西夕紀選
天 「手をつなぎ」本多 燐
地 「出羽三山」岩原真咲
人 「夜の梨」吉川わる

○特別選者 森 有也選
天 「墨東から浦安へ」桜木七海
地 「出羽三山」岩原真咲
人 「山薄荷」北杜 青

○特別選者 桜木七海選
天 「東京」中西夕紀
地 「出羽三山」岩原真咲
人 「里山秋色」森 有也

○最高得点賞 「出羽三山」岩原真咲
○イベント部長特別賞 「ラ・ジャポネーズ」小林 風

主宰、特別選者の天については直筆の短冊とお菓子、
最高得点賞と特別賞にはお菓子が授与されました。
受賞されたみなさん、誠におめでとうございます。

3.タイトル
コンクール句会の特徴として、十句にタイトルを付けるという
ことがあります。みなさん、どのようにタイトルを付けられたのか、
ハヤシが分析してみましょう。

IMG_3820.jpg


まず、七句と多かったのが、季語などの句のことばを
タイトルにしているもの。「夜の梨」、「山薄荷」などが
これにあたります。
ついで、テーマそのものをタイトルにしているものが五句。
「手をつなぎ」、「東京」、「里山秋色」などがこれにあたります。

吟行地(旅吟を含む)をタイトルとしたものは二句。
「墨東から浦安へ」、「出羽三山」がこれにあたります。

IMG_4934.jpg


ただ、主宰をはじめ、みなさんの講評をハヤシが分析したところ、
テーマは重要ですが、タイトルの良し悪しを選の基準にした方は
いらっしゃらなかったようですので、そんなに考え込まなくても
いいのかなと思います。

4.テーマ
吟行地をタイトルにしたものは意外に少なかったのですが、
「山薄荷」も旅吟であり、吟行をテーマにしたものという
とらえ方をすれば、七句になります。

読者にとって一番はっきりしたテーマだといえますが、
行ったことの有り無しで、得をしたり損をしたりということも
あるようです。

テーマをタイトルとしているものについても、
読者に明確なメッセージが伝わります。
「手をつなぎ」は子を中心に何気ない日々の暮らしを詠み、
「東京」は意外な断片を重ねて東京の像を結び、
「里山秋色」は里山の生き物の写生句といえますが、
今回、特筆すべきは「ラ・ジャポネーズ」です
。印象派を代表するクロード・モネの肖像画からタイトルを取り、
絵を題材にしての作句に果敢に挑戦した姿勢は、
これぞ、コンクール句会の精神を体現するものと
イベント部長の心を打ったのです。
ハヤシからも拍手を送らせていただきます。

一方、一見してテーマのわからない作品があり、
欠点といえなくもないのですが、俳句は短歌のように
ストレートに思いを述べるものではないことから、
十句の底にあるものを読者に感じてもらい、
それぞれに解釈してもらうということもありなのではないかと
思いました。

5.天を取るには
それではどのような作品が選に入ったのでしょう。
最高得点賞を受賞した「出羽三山」を見てみると、
13人(本人を除く)中、実に9人の方が採っています。

みなさんの講評では、まず、出羽三山という地、そして芭蕉の足跡をたどるという
テーマがはっきりと伝わってきたこと、突出して優れた(好きな)句があったこと、
さらには×の句がほとんどなかったこと、
つまり三拍子そろった結果だということになります。

ただ、主宰と二人の特別選者が、いずれも天ではなく地としていることは、
何かを暗示しているのではないでしょうか。
「出羽三山」の完成度は疑いようのないところですが、
他に思い入れの強い作品がそれぞれにあったということだと思います。

よって、目指すべきところは、三拍子そろった作品ということにはなりますが、
そこからは個性と個性のぶつかり合いということになり、
多分に選者の好みも入ってくるのでしょう。
型にはめることなく個性を伸ばすという主宰の方針が、
今回の結果にも出ているのではないか、そのように思います。

主宰の天を取るには、ということでハヤシが攻略法をお話してきましたが、
つまるところ、完成度を高めつつも、自分にしか作れない俳句を
作っていくということかなと思います。
さらにいえば、コンクール句会がゴールではありませんので、
さらにその先を目指して邁進していきましょう。

さて、コンクール句会は季節ごとに開催予定とお聞きしておりますので、
最後に次のことばを贈り、ハヤシの講義を終わらせていただきます。
いつやるか? 冬でしょ!
ご清聴ありがとうございました。

ハヤシ先生、熱い講義をありがとうございました。
先生のおことばにもありましたとおり、次回開催予定は冬季です。
参加しなければ何も始まりません。おいしいビールを飲むために、
ぜひ一歩踏み出しましょう。

最後に、このような句会に参加させていただいたことに対し、
詩さん、夏斗さんをはじめとするイベント部のみなさん、
句会参加者のみなさん、特別選者のみなさん、
そして主宰に感謝の意を表したいと思います。
どうもありがとうございました。

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