俳句でおしゃべり-都市ー

　新年家族句会
　　　　　　　　　　　　　　　　　なかむらその

我が家の新年はもう10年以上網代の宿で過ごしている。
目の前に海が広がる雄大な景色、新鮮なお魚を使った
目にも美しいお料理、竹林の中にある気持ちのよい露天風呂、
太陽の光がいっぱいはいる屋内プール、と申し分ない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

例年のレクリエーションは、水泳大会であったり、
カラオケ大会であったり、パターゴルフ大会であったり
するのだが、今年は趣向を変えて新年家族句会と洒落てみた。

初めての試みだしまともな句歴のあるメンバーもいないので、
難しいことは一切言わず、とにかく5・７・５になっていて
季語がはいっていればOK、ということにした。
一日かけて句をつくり夕食の後２句持ち寄って
句会をするという趣向だ。

海を眺めてぶつぶつ言ったり、
散歩しながら何やら手帳に書き込んだり、
それぞれのスタイルで句をつくり、
いよいよ夜の句会となった。

個性的な句が並び披講が楽しい。
父は年男である自分のことを詠み、風邪気味の夫は
ギャグ調の川柳としか思えない句をつくり、
最近秋葉原に通いつめている娘は季語が３つもはいった
メイドカフェの句を詠んだ。

今年のグランプリは、生まれて初めて句作したという母の
「初春や　ルックスもいい　料理長」という句であった。
この「も」で料理もおいしかったことがわかるよね、
新年の華やぎが伝わってくるね、確かに料理長は
イケメンだね、等と話が弾んだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


来年こそは、言い出しっぺの私がなんとか
グランプリをとりたいものである。

　　　竹藪の奥の青空お正月　　　　　　　　　　　　　　　　その