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わが結社最高齢の洋太さんの生き生きとした句への、イキイキとした鑑賞です。

2015/ 04/ 22
                 
       ブログ聖羅さん 都市一句鑑賞          
                                  田中 聖羅
                          
            あと五年遊ばんと買ふ春帽子      松岡 洋太



はじめに、大先輩の句であるので、大変恐縮しながら鑑賞させていただいた。
 2014年「都市」8月号の一句である。
「あと五年遊ばん」とある。「生きよう」などと野暮なことは言わない。
 「あと五年・・・」とは、遠慮しておられるが、年齢をかさねられ、その重さを
どっしり身にもち、さらにこれからの生をも見据えておられるからこその
余裕と、奥の深さが感じられる。

 そして、春帽子を買うのである。ここは、夏帽子でも冬帽子でも、決してない。
春帽子は、たった今の、そして未来の象徴でもあり、その実践でもある。
幸せ感に満ち、やわらかな余韻のある響きである。
 「生」への深い愛着を、さらりと詠み颯爽としている一句なのである。

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 近頃、断捨離とか、終活とかの情報があふれているが、それはそれ、全く
質の違う世界のことである。わたしたちは、若い人たちに臆することなく
今という時を、思うまま自分のものにして過ごしたいと思っているのだから。
 
 作家の井上ひさし氏は、亡くなる前に、
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをおもしろく・・・・」と、言い残した。
 俳句ではどうだろう。
 難しげな表現もしてみたいし、さらりと、面白い句も詠めればよい。
それは、どちらも深い裏打ちがあってのことなのだろう。

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 私も、「あと五年・・・」、俳句で遊び・・・・おっと、精進し、さらりと、人生を
詠む句ができれば最高だろうと思う。

 さまざまに試練がある今、洋太さんにあやかりたい私である。
 

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