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郊外のつくし野が、素敵な吟行地になり、いい句が出来ました!

2015/ 05/ 03
                 
            つくし野・長津田検車区吟行
                                  
                             野川 美渦

1970年代から開発が進んだつくし野一帯は
1980年代にテレビドラマ「金曜日の妻たちへ」
通称金妻のロケ地となり全国区となりました。
地元ではお洒落な高級住宅街として知られています。
つくし野駅前にはこの地を見守ってきた楠大樹が枝を広げています。

               IMG_0276.jpg


初めに中西夕紀主宰より
雰囲気で作らないこと。言葉で作る。見ましたはダメ。
見たから句にするのではなく見たものを伝える。
出句前に歳時記を確認する。
歳時記に載っている季語をつかう。

さてつくし野駅から成瀬方向へ緩やかな広い道路を下り、
横浜線の東光寺踏切を渡ります。
ここからすでに歩道橋になっていて、下を何列も
東急電鉄の車両がプラレールのように並んでいます。
車両の入庫ランプが横一列に点灯し、車両の点検修理・
洗浄作業も真上から見ることが出来ます。
まわりを桜がぐるりと囲み、まるで遊園地の一ブースのようです。

歩道橋を渡り終え梅神社わきの小道を通ると
なすな原公園の入り口です。
左手に松林、右手に満開の花桃が並んでいます。
以前からこの地は縄文時代の土器や装飾品などが出土し
なすな長者の屋敷跡と呼ばれてきました。
地元ではなすな長者伝説が知られています。

なすな長者にはひとつぶだねのかわいい女の子がいた。
美しい娘に成長すると夜な夜な娘の部屋に若者が通うようになった。
娘にも名を告げず明け方には風のように消えた。
長者は娘に針と糸を渡し、今夜そっと若者の着物の裾に
縫いつけておくよう伝えた。
明け方いつものように若者は部屋から消えた。
長者夫婦が縫い糸をたどるとなすな原から三、四町はなれた
三島神社の池の中に消えていた。
若者は三島神社の神さまであった。
『町田の民話と伝承』第一集より

                             IMG_0292.jpg


さていざ句会。同じ行動をとってきたのに各自提出の七句には
その人なりの視点があり、驚きや教えがいっぱいでした。
目立ったワードはパンタグラフ、踏切、
遮断機、車両基地、操車場などなど。

主宰の講評より
皆が同じものを見るわけだから同じような句が出来る。
そこからもう一度推敲。他の人と違う切り口で抜け出す。

同じく1980年代につくし野・成瀬を舞台に
『くれない族の反乱』というドラマが放送されました。
それを踏まえての挨拶句が主宰の選に入りました。

          反乱す豪邸横の葱坊主   萌
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