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小諸俳句祭に初めて参加した、わるさんに書いてもらいました。              (写真の提供もわるさんです!)

2015/ 08/ 23
                 
     俳句の林間学校「こもろ・日盛俳句祭」デビュー
                                                 
                             吉川わる


日盛俳句祭とは、虚子ゆかりの小諸の地で、午前に吟行、
午後に句会、夕べに講演という、今年で七回目を数える
結社を超えた俳句の林間学校です。

申込みは事前に郵送で済ませますが、句会場は朝の受付時に選びます。
各句会には俳壇活躍のスタッフ俳人が参加しますが、
この時点では明かされません。そして、銘々、懐古園などの市内吟行、
巡回バスで巡る虚子記念館などの郊外吟行、申込み時に予約が必要な
高峰高原吟行に向かいます。

初日の七月三十一日は小諸到着が十時だったこともあり、
市内吟行とし、句会もメイン会場のベルウィンとしました。
炎昼の懐古園を回り、小諸蕎麦は涼しく食べて句会に臨むと、
スタッフ俳人は虚子直系、星野高士さん(玉藻主宰)と
稲畑廣太郎さん(ホトトギス主宰)のお二人。
くじ引きなんだそうで、奇跡のツーショットとご本人たちも
笑ってらっしゃいました
(「どこまでも平等な句会を」と謳われていますので、スタッフ
俳人の方も「さん付」とさせていただきます)。

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句会は五句出句、五句選句で、簡単な自己紹介と講評は
特選のみ、その後、スタッフ俳人の披講時に作者が名乗るという形式です。
師系を同じくするお二人、お互いの句を採り、講評にも共通点がありましたが、
この日の兼題「百日紅」の読み方だけは、星野さんが「ひゃくじっこう」、
稲畑さんが「さるすべり」と譲りませんでした。

初日の講演は鍵和田秞子先生(未来図主宰)の「草田男と軽井沢」で、
昭和五十五年に先生が草田男を軽井沢に訪ねた折のインタビューを
振り返ってのものでした。草田男の句碑が旧軽井沢の聖パウロカトリック教会に
あるそうですが、場所が教会の裏側で、しかも句碑の表に
聖母子像のレリーフがあるため、裏を見ずに帰ってしまう人が多いと
憤慨なさって、師に対する変わらない敬愛を感じました。
そしてなにより、先生、若々しいです。

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翌日は高峰高原吟行に参加しました。
貸切バスで三十分ほど、高原にはニッコウキスゲが咲いていたり、
アサギマダラが飛んでいたりと句材には事欠かないのですが、
大自然ってやつはどうも苦手です。

句会のスタッフ俳人は藤本美和子さん(泉主宰)と井越芳子さん(青山)で、
藤本さんは披講もされたのですがご自身の句に驚くほど点が入り、
脱帽しました。

夕方のシンポジウムは「字あまり・字足らずⅡ」と題し、
筑紫磐井先生(豈)の司会のもと、本来はあってはならないという立場の
伊藤伊那男先生(銀漢主宰・春耕)に対し、実作の例を示して
西山睦先生(駒草主宰)中西先生が総反論し、
中でも仲寒蟬先生(港・里・群生)は「破調から見た赤尾兜子と高濱虚子」と
題する論文のような資料を提示されました。
これには伊藤先生も字余りの句が自作にあることを
カミングアウトされ、シンポジウムは大団円に。
それぞれの先生が自説を述べたところで時間がなくなってしまい、
論戦までいかなかったのが残念です。

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俳句祭は八月二日までありましたが、私の参加はこれまでです。
今回、都市から中西先生以下六名が参加しましたが、
みなで満月を追い虚子記念館近くまで歩き焼鳥をほおばりました。
また、他の結社の方が参加する句会はまことに新鮮で、
情報交換できたことも収穫でした。

そして、小諸駅の産直市場で売っていた朝摘みブルーベリーの
おいしかったこと。果実の甘さとはこういうものだと改めて思いました。

最後に高峰高原句会で藤本さんの選をいただいた拙句を
披露させていただきます。

        夏蝶の口吻吾を探りけり        吉川わる
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