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都心での吟行に、大勢が参加しました! 写真もわるさんの提供です。
2015/ 10/ 18 10月吟行記 九品仏から自由が丘界隈
吉川わる
「聖なるものから俗なるものへ」と題し、九品仏から自由が丘界隈を
二十七人で吟行しました。
九品仏は通称で正式には浄真寺と言い、東急大井町線の九品仏駅から
ほどなく参道となります。いわゆる名所旧跡なのでしょう、
快晴の秋の土曜日、複数のグループがここを集合場所としていました。
山門を潜って境内に足を踏み入れると、周りから音が消えたように思われ、
三体の小さな地蔵様がこちらを見てらっしゃいます。
商業地ではないにしてもここは目黒のさんまの目黒区なのですが、
静寂としか言いようがなく、心身がみるみる浄化していきました。

九品仏の名は三つの阿弥陀堂に安置されている九体の
阿弥陀如来に由来するそうですが、仏像はもちろんのこと、
一木一草に至るまで何か宿っているように思えます。
直立した庭石を「佇む」と詠んだり、如来の「眉睫」を見つめたり、
句会では考えた句ではなく感じた句に強く惹かれました。
九品仏で一時間を過ごし、徒歩でおよそ十五分、
自由が丘に移動しました。
自由が丘と言えばおしゃれな街の代表格ですが、
駅前の自由が丘デパートやひかり街は闇市を区画整理してできた
横長のビルで、イラン人の絨毯屋など一癖ある店がひしめいています。
カフェのオムライスを詠った句がある一方、鳥屋の主人を詠んだ句が
あったのはこの街の成り立ちと関係しているのです。

昼食を取ったら歩き回る時間はあまり残されておらず、
聖から俗はちょっと欲張りだったかも知れません。
句会終了後は地下に隠れるようなインド料理屋で怪しい夜を過ごしました。
それでは、当番の句を披露して報告を終わります。
本堂に身のおきどころ無き秋思 青
秋の蚊の我に殺生させにけり わる
吉川わる
「聖なるものから俗なるものへ」と題し、九品仏から自由が丘界隈を
二十七人で吟行しました。
九品仏は通称で正式には浄真寺と言い、東急大井町線の九品仏駅から
ほどなく参道となります。いわゆる名所旧跡なのでしょう、
快晴の秋の土曜日、複数のグループがここを集合場所としていました。
山門を潜って境内に足を踏み入れると、周りから音が消えたように思われ、
三体の小さな地蔵様がこちらを見てらっしゃいます。
商業地ではないにしてもここは目黒のさんまの目黒区なのですが、
静寂としか言いようがなく、心身がみるみる浄化していきました。

九品仏の名は三つの阿弥陀堂に安置されている九体の
阿弥陀如来に由来するそうですが、仏像はもちろんのこと、
一木一草に至るまで何か宿っているように思えます。
直立した庭石を「佇む」と詠んだり、如来の「眉睫」を見つめたり、
句会では考えた句ではなく感じた句に強く惹かれました。
九品仏で一時間を過ごし、徒歩でおよそ十五分、
自由が丘に移動しました。
自由が丘と言えばおしゃれな街の代表格ですが、
駅前の自由が丘デパートやひかり街は闇市を区画整理してできた
横長のビルで、イラン人の絨毯屋など一癖ある店がひしめいています。
カフェのオムライスを詠った句がある一方、鳥屋の主人を詠んだ句が
あったのはこの街の成り立ちと関係しているのです。

昼食を取ったら歩き回る時間はあまり残されておらず、
聖から俗はちょっと欲張りだったかも知れません。
句会終了後は地下に隠れるようなインド料理屋で怪しい夜を過ごしました。
それでは、当番の句を披露して報告を終わります。
本堂に身のおきどころ無き秋思 青
秋の蚊の我に殺生させにけり わる
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