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菜園さんによる、主宰の句集「朝涼」の鑑賞です!

2015/ 12/ 02
                 
        主宰の句を鑑賞して


                    金子 菜園

主宰の句を鑑賞して感想を述べよ等と恐れ多い宿題を頂いたものである。  

主宰の句を初めて知ったのは、歩み句会からざぼん句会へ移り、
第三句集「朝涼」を手にした時のことである。  
今回は数多い句の中から、私の好きな三句を選んで
鑑賞したいと思います。

     人白し若葉の下を通るとき

立夏を過ぎるころ、山々の緑は濃くなり、
太陽の光は一段と強さを増してくる。
そして木陰を歩く時、樹木に透過された光
は白色となって人を照らすのだ。
光の微妙な変化を、間接的な表現をされて素晴らしいと思います。

DSCF1836.jpg


     花惜しむ飲食あはき僧とゐて

花はソメイヨシノのような華やかな種類ではなく、
おそらく遅咲きの桜の散り際を眺めているのでしょう。
「飲食あはき僧」が全てを語っていて、高潔な僧との
静かな時の流れが感じられます。
小さなときめきと清潔感が溢れる句と思います。

DSCF1878.jpg


     その人とゐて蚊柱の懐かしき

「その人ーーー」。若い頃の恋人に違いない。 
そして今、思い出の公園で再開した。
若い頃には蚊など気にならなかったのに、今になると、
二人には蚊柱もまた懐かしい思い出なのだ。
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