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知の長老の小一さんの句を、たまごさんが取り上げました!!

  都市の一句(29)
                     小林 たまご

 
夜の桜あの世この世の境なし     関野 小一
                        ( 都市2014.4月号)

小一さんは、いつも何とも穏やかな、俳句でしか表現できない
句作りをしている。

夜の桜は、美しさの中に端正な姿と、音を伴って、
あの世とこの世を自在に行き来しており、命の声が
こだましているのであろう。

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桜といえば、栄え、華やかさを象徴するが、同時に
花はもろさや頼りなさ、あるいは不安の象徴でもある。
特に夜の桜は、底の知れないほど天の深さが澄んでいて、
何物もない世界である。

小一さんの、「心象道紀行」というエッセイ集に
「俳句は客観写生に始まり、中頃は、主観との
交錯が色々あり、それから終には、客観描写に戻るという
順序をふむものである。」とある。
絵画の世界にしても文学の世界にしても写生ということは、
極めて大切なことであると述べている。

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小一さんは、油彩の抽象画を得意とし、作品は20号「道」、「春の息吹」
「存在の諸相」などがある。
これら余韻のある哲学的な表現の作品は、絵画は絵筆によって
俳句は文字によって写し取る表現をしているのである。
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レオフェイ
Posted byレオフェイ

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