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現代俳句勉強会で、岡本眸を担当した明さんの、眸俳句の鑑賞です。
2016/ 05/ 09 28年4月ブログ 岡本眸の1句
砂金明
鈴のごと星鳴る買物籠に柚子
岡本眸の第1句集『朝』にあるこの句は、昭和37年に
句友曽根けい二と結婚し、北区田端に新居を構えた時の句です。
当時はまだ都電が通り、神明町車庫前という停留所まで
毎朝夫を送って行ったそうです。
近くに田端銀座という賑やかな商店街があり、
夕飯の買い物に行く作者の姿が見えます。
エプロン姿にサンダルをはいた新妻は、八百屋で形のよい柚子を選び、
他に何を買ったのでしょうか。

夜空で星が奏でる清かな鈴の音は、作者の心の中で鳴り響き、
まるで作者自身が鈴になった様に思われます。
幸せな結婚生活の喜びが澄みきった言葉となって
溢れ出ています。この天真爛漫さは、天性のものであり、
読者に率直に語りかけてくる眸俳句の特色の根底に
あるものと思われます。

「鈴」は作者の中に沈静し第2句集『冬』には
「身辺に鈴の音満つるごとく冬」
第9句集『流速』では
「水飲んで鈴となりけり衣更」
と再び表出してきます。
掲出句に呼応するように、曽根けい二の
「鳴る鈴をどこかに秘めて寒き妻」という句もあります。
砂金明
鈴のごと星鳴る買物籠に柚子
岡本眸の第1句集『朝』にあるこの句は、昭和37年に
句友曽根けい二と結婚し、北区田端に新居を構えた時の句です。
当時はまだ都電が通り、神明町車庫前という停留所まで
毎朝夫を送って行ったそうです。
近くに田端銀座という賑やかな商店街があり、
夕飯の買い物に行く作者の姿が見えます。
エプロン姿にサンダルをはいた新妻は、八百屋で形のよい柚子を選び、
他に何を買ったのでしょうか。

夜空で星が奏でる清かな鈴の音は、作者の心の中で鳴り響き、
まるで作者自身が鈴になった様に思われます。
幸せな結婚生活の喜びが澄みきった言葉となって
溢れ出ています。この天真爛漫さは、天性のものであり、
読者に率直に語りかけてくる眸俳句の特色の根底に
あるものと思われます。

「鈴」は作者の中に沈静し第2句集『冬』には
「身辺に鈴の音満つるごとく冬」
第9句集『流速』では
「水飲んで鈴となりけり衣更」
と再び表出してきます。
掲出句に呼応するように、曽根けい二の
「鳴る鈴をどこかに秘めて寒き妻」という句もあります。
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