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「ことばの時間」の仲間で子規庵へ。そこで燐さんが思われたことは、、、

2010/ 01/ 31
                 
静かな空間          本多 燐


昨年の暮、根岸にある子規庵を初めて訪れました。

当日は10時の開館に合わせるように訪れたのですが、
子規庵はすでに見学者でいっぱいの状態でした。

きっと「坂の上の雲」のテレビ放送と重なったことが
影響していたのだと思います。

座敷に坐って静かに庭を眺めてみたかった私は、
その混雑ぶりが疎ましかったのですが、
それ以上に閉口させられたのが、
子規庵の小さな座敷に流れる解説テープの声でした。

居間にテレビが置いてあったので、最初から嫌な予感がしたのですが、
見学者がスイッチを入れると解説テープが流れる仕組みになっているようです。

私は、観光地の寺院や歴史施設などで
流れる解説テープが大嫌いです。

京都の名園で知られる寺院でも解説テープを流すところがありますが、
デリカシーを疑わざるを得ません。

それにしてもあの解説テープの類はどういう理由で
流されるものなのでしょう?

子規庵でも、小グループが入れ替わり立ち替わり見学に訪れて、
その度ごとに解説テープの再生スイッチを押す人がいるので、
同じ内容の解説が繰り返し流されていました。

その度に見学者も正座をして解説に聞き入っているようでしたから、
見学者の「何かの情報を得たい」という欲求を満たすために、
解説テープが流されるのかもしれません。

しかし、情報ならば解説書を読めばわかることでしょう。
解説テープなど耳障りな騒音以外の何物でもありません。

庵を訪れるのも、京都の庭園を訪れるのも、
情報を得ることが目的ではありません。

何かを感じるため、オーラを感じるために訪れるのです。

その為には、風の音や鳥の声さえ聞こえれば
十分ではないでしょうか?

最近は、美術館に行ってもイヤホンガイドの
サービスが流行しています。あれもいらぬお節介です。

絵の前にじっと立って、絵と会話する時間こそが、
美術館という空間の贅沢のはずです。

自分の心と向き合い時間を大切にしたいと思う、
今日此の頃です。


室生寺




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