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俳句でおしゃべり-都市ー 「都市」での活動や俳句に繋がる文章や会員のエッセイ等の語り場にしていきたいと思います。

都市の俳句は、今回は仕事の俳句です。

          都市の俳句 33           金子菜園

     涼しさよ鋼の桁を出づるとき
                      秋澤夏斗


男の仕事場を控えめに詠んだ句である。
一般の人には凡そ出来ない経験が、さり気無く詠まれている。

作者の夏斗さんは、本四連絡橋に代表される橋梁関係の仕事に
携わっていたと、人伝に聞いたことがある。
一口に橋梁の仕事と云っても、用地確保、設計、施工管理、検査、
維持管理等々多岐に亘るものであろう。

そして、その建設工事は数年から10数年の長期間になるものもあり、
その間家族とも離れての生活を余儀なくされ、厳冬の冬、
酷暑の夏を幾度も乗り越えるのでしょう。

掲句は、ご自身が長年関係した橋梁が竣功した折、
設計者として或いは施工管理者として、自らが橋梁に上り、
仕上がりを確認されたシーンと思われる。
                  
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真夏の太陽は容赦なく照りつけ、橋の鋼材は輻射熱で
猛烈な熱を帯びている。桁の中は風も通らず、まさに蒸し風呂のような
状況なのでしょう。
そして竣功確認を終え、桁の外へ出て安全帽を脱いだその瞬間、
涼しい海風が身体を通り過ぎたのだ。

この時の気持ちは「涼しさよ」と言い切ったところに表れている。
単に涼しいだけではなく、長年の苦労が吹き飛んだ瞬間なのでしょう。
男の仕事を成し遂げた喜びが、言外に感じられ、
味わいの深い句になっていると思います。
                      

        DSCF7498.jpg

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