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風さんが、美渦俳句を面白く読み解いてくれました!
2017/ 01/ 22 都市の1句 (36)
小林 風
嚙み砕く氷砂糖や昭和の日 野川 美渦
本来氷砂糖は、時間をかけて甘みを溶け込ませる
料理法に使用されるものです。しかしこの句では、
噛み砕くと言い切っています。思わず背筋が伸びる思いがしました。
「戦争」を意識して作句しているからではないでしょうか。

戦中戦後は砂糖が不足していました。
砂糖を使った食べ物を我慢せざるを得なかった
時代です。氷砂糖を噛み砕くと、甘みが口いっぱいに
広っていく経験は誰もが共感できることだと思います。
戦争は始まってしまえば立ち止まることは至難の業。
一心に敵を砕いて突き進んでいきます。
「昭和の日」という季語には、人それぞれの持つ
重さがあり、平和に生きる喜びへと繋がっていく
強い願いがあるように思います。「噛み砕く」と
「昭和の日」が巧みに響き合っていて、しっかりした
句になっていると思いました。
この句から、ふっと小学校一年生の出来事が
よみがえってきました。初めての仲良しの友達ができて、
その友達の家に遊びに行った時のことです。
洋館の家で部屋は重厚な感じの応接間でした。
おやつに紅茶とお菓子の籠が出てきたのです。

一番珍しいものから食べたくなり、紅茶についていた
角砂糖をヒョイと口に突っ込みました。
角砂糖なしの紅茶は苦かったのですが、
出されたものは飲まなければいけないと思い、
おいしいふりをしてすましていました。
家に帰って母に話して、角砂糖は紅茶に溶かして
飲むものだと初めて知ったのでした。
その友達のお父さんが貿易会社に勤めているから
珍しい物があるのだ、と母が話してくれました
子供のころの思い出につながる一句です。
小林 風
嚙み砕く氷砂糖や昭和の日 野川 美渦
本来氷砂糖は、時間をかけて甘みを溶け込ませる
料理法に使用されるものです。しかしこの句では、
噛み砕くと言い切っています。思わず背筋が伸びる思いがしました。
「戦争」を意識して作句しているからではないでしょうか。

戦中戦後は砂糖が不足していました。
砂糖を使った食べ物を我慢せざるを得なかった
時代です。氷砂糖を噛み砕くと、甘みが口いっぱいに
広っていく経験は誰もが共感できることだと思います。
戦争は始まってしまえば立ち止まることは至難の業。
一心に敵を砕いて突き進んでいきます。
「昭和の日」という季語には、人それぞれの持つ
重さがあり、平和に生きる喜びへと繋がっていく
強い願いがあるように思います。「噛み砕く」と
「昭和の日」が巧みに響き合っていて、しっかりした
句になっていると思いました。
この句から、ふっと小学校一年生の出来事が
よみがえってきました。初めての仲良しの友達ができて、
その友達の家に遊びに行った時のことです。
洋館の家で部屋は重厚な感じの応接間でした。
おやつに紅茶とお菓子の籠が出てきたのです。

一番珍しいものから食べたくなり、紅茶についていた
角砂糖をヒョイと口に突っ込みました。
角砂糖なしの紅茶は苦かったのですが、
出されたものは飲まなければいけないと思い、
おいしいふりをしてすましていました。
家に帰って母に話して、角砂糖は紅茶に溶かして
飲むものだと初めて知ったのでした。
その友達のお父さんが貿易会社に勤めているから
珍しい物があるのだ、と母が話してくれました
子供のころの思い出につながる一句です。
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