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都市の1句は、葉子さんのことをよく御存じの美渦さんの語りです

2017/ 02/ 15
                 
      都市の一句  ( 37 回 )
                           野川 美渦

   子供らのゆかず娶らず年暮るる  
                松井 葉子
  (2013都市2月号)
 
なんと分かりやすい句であろうか。説明の全くいらない。
難解な言葉が一つもない一句。それでいて読み手が思わず
同意もどきの声を挙げてしまう句なのではないだろうか。

 子供らの、とあるから子供は二人以上。
その上、男の子と女の子を授かっている。
これだけでも十分に十分に幸せではないか。

 その子供達はすくすくと成長し、立派な社会人となり、
今まさに適齢期とやらを迎えている。
作者はそろそろと考えだしてはいるものの、未だそれほど
深刻には感じてはいない。
まだ少しなら今のままでもと思っている。
まだ他人の入ってこない現在の親子だけの時間を
惜しんでいる様にもとれる。

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幸せは身近なところに、なんでもない生活の中に
あると教えてくれる一句である。

 そう言えば、同じ作者の初学の頃にこんな句があった。
   
     たまゆらの家族団欒初雀     葉子  (2007年萌)

いつも家族の有難さを口にしてきた作者。
いつも家庭を第一に句作を続けてきた作者である。
その姿勢は何年たっても変わっていない。

 さて、後日談である。ゆかず娶らずと先に詠まれた娘さんは
その後結婚され幸せに暮らしていらっしゃるとのこと。
めでたしめでたし。

                   DSCF3737.jpg


 福が福を呼び込む作者の次の幸せの一句は何であろうか?
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