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寒い雨の中の吟行でした!
2017/ 04/ 07 四月 鎌倉吟行
三森梢
今月の吟行は鎌倉の寿福寺から源氏山。
満開の花の下、源氏の興亡を想う日となる筈であった。
しかし、朝から冷たい雨が降り続き、しかも桜は満開に程遠い状態である。
そう言えば今日は万愚節である。
その様な天候の中、鎌倉に馳せ参じた22名は、
「雨の句をしっかり詠みましょう」との中西主宰の言葉を胸に、
静かに雨の街へと歩き出した。

寿福寺に着くと鶯の声が迎えてくれ、雨に色を深める苔に
落椿が鮮やかである。虚子の墓、立子の墓、愛子の墓でじっと佇む、
あちこちの墓を見て回る姿と、それぞれの時間を過ごす。
政子と実朝の墓、そして大仏次郎の墓にも挨拶した後、
源氏山へと向かう。

右手に傘、左手にノートを持ちながら、ぬかるんだ小道を慎重に上って行く。
雨の森から画眉鳥の声が響き、木五倍子の花を食べる栗鼠も目にする。
途中には太田道灌の墓もあり、向かいの山はまさに
「竹の秋」の様相を見せている。
うっすらと色を見せる山桜、様々な椿の咲く小道も用意されている。

源氏山の頂では頼朝の像が街を見下ろしている。雨も小止みになった所で、
苔むした化粧坂の急段を覗き込み、銭洗弁天へと下って行く。
現世のご利益をしっかりと願った後、人里へ戻って来た。
愈々句会の始まりである。
特選句
板塀に雨降りしきる余寒かな(奈津子)
春泥に数多足跡虚子の墓(積)
鶯のこだま政子へ実朝へ(詩)
指差せば皆顔向ける山桜(恵未)
初桜そぼ降る雨の源氏山(冬青)
鶯や雨明りして化粧坂(青)
三森梢
今月の吟行は鎌倉の寿福寺から源氏山。
満開の花の下、源氏の興亡を想う日となる筈であった。
しかし、朝から冷たい雨が降り続き、しかも桜は満開に程遠い状態である。
そう言えば今日は万愚節である。
その様な天候の中、鎌倉に馳せ参じた22名は、
「雨の句をしっかり詠みましょう」との中西主宰の言葉を胸に、
静かに雨の街へと歩き出した。

寿福寺に着くと鶯の声が迎えてくれ、雨に色を深める苔に
落椿が鮮やかである。虚子の墓、立子の墓、愛子の墓でじっと佇む、
あちこちの墓を見て回る姿と、それぞれの時間を過ごす。
政子と実朝の墓、そして大仏次郎の墓にも挨拶した後、
源氏山へと向かう。

右手に傘、左手にノートを持ちながら、ぬかるんだ小道を慎重に上って行く。
雨の森から画眉鳥の声が響き、木五倍子の花を食べる栗鼠も目にする。
途中には太田道灌の墓もあり、向かいの山はまさに
「竹の秋」の様相を見せている。
うっすらと色を見せる山桜、様々な椿の咲く小道も用意されている。

源氏山の頂では頼朝の像が街を見下ろしている。雨も小止みになった所で、
苔むした化粧坂の急段を覗き込み、銭洗弁天へと下って行く。
現世のご利益をしっかりと願った後、人里へ戻って来た。
愈々句会の始まりである。
特選句
板塀に雨降りしきる余寒かな(奈津子)
春泥に数多足跡虚子の墓(積)
鶯のこだま政子へ実朝へ(詩)
指差せば皆顔向ける山桜(恵未)
初桜そぼ降る雨の源氏山(冬青)
鶯や雨明りして化粧坂(青)
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