「春野」の同人関山恵一氏が、主宰の句を鑑賞してくださいました!!
2017年07月04日 公開
「都市」六月号 中西夕紀作品鑑賞
「春野」同人 関山 恵一
花替えて山の湿りの花御堂
灌仏会に花で飾った小さな御堂に釈尊を安置する花御堂、
飾った花が時間がたってややしおれて来たので、新しい花に替える.
御堂の背負う山から湿った風が下りてくる。「湿り」は作者の釈尊への
しっとりとした気持ちの表れとも伺える。

花まつり異国の僧の膚見せて
これも灌仏会での句。
最近は日本の寺で修行するタイ・インドなどからの僧侶が増えてきている。
僧衣からはみ出す肌の色が美しい僧侶、おそらくそうした異国からの
修行僧であろう。いかにも健康そうな褐色の肌が艶っぽい。
思わず見入ってしまう作者。
思ひの去ればまた囀りの日の光
悩みかも知れない、何となく心に引っかかるものをを抱えた作者。
それが何かのきっかけでふっと消えた時、それまで気付かなかった
囀りが耳に入ってくる。こんなに激しく囀っていたのか・・と
われに返った気がする作者。

雨の竹つかめば山の霞みをり
鎌倉の竹の寺かもしれない。訪れた時降っていた雨もあがり、
明るくなってきた。「春もすっかり深まったなあ」手近にある竹を掴んで
見上げる向こうの山は霞がかかって翠黛に。ハッとするほど美しい景にしばし佇む作者。
わが修羅をわれの貪る朝寝かな
美しい作者の裡にある修羅とはどんなものであろうかと気になる。
やはり五七五と詩と格闘していたのであろう。夜遅くまで句作に励み、
格闘していた作者の朝はひどく眠い、「貪る」の措辞に格闘のすさまじさと、
疲れ切って春眠を続ける作者の姿が浮かんでくる。
「春野」同人 関山 恵一
花替えて山の湿りの花御堂
灌仏会に花で飾った小さな御堂に釈尊を安置する花御堂、
飾った花が時間がたってややしおれて来たので、新しい花に替える.
御堂の背負う山から湿った風が下りてくる。「湿り」は作者の釈尊への
しっとりとした気持ちの表れとも伺える。

花まつり異国の僧の膚見せて
これも灌仏会での句。
最近は日本の寺で修行するタイ・インドなどからの僧侶が増えてきている。
僧衣からはみ出す肌の色が美しい僧侶、おそらくそうした異国からの
修行僧であろう。いかにも健康そうな褐色の肌が艶っぽい。
思わず見入ってしまう作者。
思ひの去ればまた囀りの日の光
悩みかも知れない、何となく心に引っかかるものをを抱えた作者。
それが何かのきっかけでふっと消えた時、それまで気付かなかった
囀りが耳に入ってくる。こんなに激しく囀っていたのか・・と
われに返った気がする作者。

雨の竹つかめば山の霞みをり
鎌倉の竹の寺かもしれない。訪れた時降っていた雨もあがり、
明るくなってきた。「春もすっかり深まったなあ」手近にある竹を掴んで
見上げる向こうの山は霞がかかって翠黛に。ハッとするほど美しい景にしばし佇む作者。
わが修羅をわれの貪る朝寝かな
美しい作者の裡にある修羅とはどんなものであろうかと気になる。
やはり五七五と詩と格闘していたのであろう。夜遅くまで句作に励み、
格闘していた作者の朝はひどく眠い、「貪る」の措辞に格闘のすさまじさと、
疲れ切って春眠を続ける作者の姿が浮かんでくる。
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