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都市の1句です。お二人は、「こもろ日盛り俳句祭」の仲間同士です。

2017/ 07/ 18
                 
             都市の一句(三九回)
                              吉川わる

           民宿の女将仲間や蕨採   大矢知順子
                        

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この句の初見は「都市」六月号の校正作業の折で、
「順子さん、うまくなったなあ」と思わず呟いてしまった。
「なったなあ」というと上から目線のようだが、そうではない。
順子さんは今年になって急激に進化しているのだ。

何を詠むのかということはもちろん重要であるが、
俳句はこの短さであるから、スキルがないと意味が不明であったり、
報告になってしまったりする。
順子さんの句では、中七の「女将仲間」という造語により
、山道を一列に笑い声を上げながら登っていく姿が見える。
しかも民宿の女将さんだから服装もまちまちで、一人くらいは
若女将がいるかも知れない。さらに韻律がまた心地よい。

    匙なめて童たのしも夏氷   山口誓子

教科書にも載っていた誓子の句だが、中七から下五の調べが
順子さんの句と重なるではないか。名句と言われる句は耳に残るのだ。

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順子さんとは「こもろ日盛俳句祭」をごいっしょしている。
小諸といえども七月の終わりは暑いのであり、
それこそ夏氷が食べたいところであるが、
順子さんはあの小さい体で速くはないが歩き回る。
そして、何より貪欲だ。納得のいくまで質問を止めない。
俳句祭では吟行句会とは別に、毎日、投句を募集しているのだが、
順子さんはよく入選している。二次会の焼鳥屋も最後まで残る。
行きも帰りも高速バスだ。

今年、同人になられた。それをきっかけに、積み重ねてきたものが
芽を出したのだろう。そして、ぐんぐん成長している。

順子さん、今年も日盛、楽しみにしています。
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