俳句でおしゃべり-都市ー

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燐さんが久々に吟行に参加しました!!

       鉄道草と臭木の実
                         本多燐

 九月四日、神奈川県座間市にある谷戸山公園を吟行する。
 
ここは都市として度々訪れた吟行地だが、公園に向う途中の
小田急線座間駅から線路添いの道が、まずは私のお気に入りである。
そこは静かな郊外の何の変哲もない道で、片側には小さな団地や
小さな畑、小さな家が並んでいて、その反対側はバラスを敷いた
線路が真直ぐのびている。

人通りはほとんどなく、時々電車が行き過ぎれば、線路側に
ぼうぼうと茂った草が大きく揺れる。
その光景をじっと見ていると、子供の頃、父に肩車を
してもらいながら大好きな特急電車(小田急線ではなかったが)
の通過に手を振った思い出がいつも甦る。

 少し古い時代の歳時記には、秋の項に「鉄道草」という
季語が載っていた。正式にはヒメムカシヨモギと言うのだそうだが、
鉄道草という無雑作な呼び方が、どこか時代にとりのこされた
感じがして線路脇の雑草の名としてふさわしい。

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 公園に入ると、谷戸の地勢を残したままの園内に様々な樹々を
見ることができる。この日は臭木に実がなっているのを見つけた。

臭木の実は光沢のある深い青色の珠で、赤い萼の上に乗っている。
普段は目立たない臭木がこんな愛らしい実をつけるのが面白い。

 因みに臭木を歳時記で調べると、秋の項に「臭木の花」「臭木の実」
として、花と実が並んで載っている。同じ季節に花と実の両方が
季語として採られている木も珍しい。初秋に白い小花を咲かせるから
秋めくころに赤い萼に青い実をつけるまで、短い間に色々の変化を
見せてくれる木が臭木というわけだ。

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それにしても今年の東京は秋が早い。まだ、九月初めだというのに、
残暑というには物足りない日差しの中での吟行であった。
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